研究課題/領域番号 |
11470373
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形成外科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
藤井 徹 長崎大学, 医学部, 教授 (60136661)
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研究分担者 |
秋田 定伯 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (90315250)
平野 明喜 長崎大学, 医学部, 助教授 (90208835)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1999年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | 創傷治癒 / 遺伝子治療 / 異常創傷治癒 / IGF-1 / LIF / 免疫寛容 / 局所サイトカイン |
研究概要 |
創傷治癒の分子生物学的機構解析で、特に異常創傷治癒であるケロイドでは、チロシンキナーゼ系の情報伝達のなかでも、IGF-1(Insulin-like Growth Factor-1)受容体系はケロイド由来線維芽細胞で過剰発現、浸潤性に関与することを確認し、更に、ケロイドの細胞死(アポトーシス)抵抗性に尽き検討し、相関を観察した。セラミドは、線維芽細胞を容量、時間依存的にアポトーシス誘導させるが、FACS(Flow Cytometry)では、ケロイド線維芽細胞は、G2期停止を示し活性細胞数も40μMのセラミドでも抵抗することがWST-1アッセイで認められた。また、IGF-1(100ng/ml)添加では、セラミド誘発のアポトーシスを抑制し、正常細胞よりもケロイド細胞に効果は大きく、またIGF-1受容体発現レヴェルとも正の相関を示した。更にIGF-1系の中のPI-3キナーゼ抑制因子であるwortmannin(100nM)を前投与するとIGF-1由来のアポトーシス抵抗を抑制できた。 一方、同種皮膚移植術に関し有効な治療効果の検討が求められる。即ち、同種皮膚移植は一時的な被覆に過ぎず、低分子の局所因子であるサイトカインの遺伝子治療を同種マウス間で検討した。BALB/C、B6D2F1種間で、全層欠損皮膚にLIF(Leukemia Inhibitory Factor)cDNAプラスミドを皮下注入したところ、経時的に24時間後、21日後共に発現を認め、LIFの情報伝達受容体発現であるgp130も発現しており、LIF情報伝達の関与を示唆した。更に、B6D2F1からBALB/Cへの移植でLIFのTh2サイトカイン誘導(IL-10)を確認できたため、LIFの免疫寛容が同種移植の活性延長効果となったと推測された。更に、頭蓋骨欠損モデルでも骨新生にLIFは骨形成に有効であり、骨細胞の新生はLIFの発現によることが、mRNA、蛋白レヴェルで共に確認された。
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