研究課題/領域番号 |
11470402
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 新潟大学 (2001) 東京医科歯科大学 (1999-2000) |
研究代表者 |
興地 隆史 新潟大学, 歯学部・附属病院, 教授 (80204098)
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研究分担者 |
川島 伸之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60272605)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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キーワード | 樹状細胞 / マクロファージ / HLA-DR / 炎症性サイトカイン / 誘導型一酸化窒素合成酵素 / シクロオキシゲナーゼ-2 / 齲蝕 / 歯髄炎 / 歯髄 / 共刺激分子 / 免疫組織化学 / 分子生物学 / サイトカイン / inducible nitric oxide synthase / RT-PCR |
研究概要 |
歯髄内樹状細胞における各種免疫機能分子・炎症性サイトカイン等の発現状況と歯髄疾患の病態との関連について免疫組織化学的・分子生物学的に検討し、下記の知見を得た。 1 ヒト齲蝕歯歯髄では齲蝕病巣と交通する象牙細管の開口部直下にHLA-DRあるいはfactorXIIIa陽性の歯髄内樹状細胞が限局性かつ著明に集積することが確認された。この集積は浅在性象牙質齲蝕の段階ですでに明瞭であったが、修復象牙質の存在下では不明瞭となった。これらの歯髄内樹状細胞の大多数はCD14あるいはCD68の発現を示した。さらに、深在性齲蝕歯では一部の樹状細胞にCD83,CD86の発現を検出可能であった。一方、T細胞は浅在性象牙質齲蝕の段階より明瞭に増加を示した。これらのT細胞の大半はCD45RO陽性の記憶T細胞であり、その一部は活性化T細胞のマーカーであるCD25を発現していた。一方B細胞は深在性齲蝕歯で初めて明瞭な増加を示した。以上より、樹状細胞・T細胞間の相互作用に基づくT細胞の活性化が齲蝕継発性歯髄炎の初期成立過程に関与する可能性が示唆された。 2 ラット切歯にLPSを貼付することにより誘発した実験的炎症歯髄では、起炎後6時問をピークとする誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)mRNAの発現がRT-PCR法にて検出された。抗iNOS抗体を用いた免疫染色により、iNOS発現細胞のほとんどがマクロファージであることが確認された。またシクロオキシゲナーゼ-2(COX-2)および各種炎症性サイトカインmRNAの発現は、iNOSmRNAと同様3-6時間でピークに達したが、抗炎症性サイトカインであるIL10発現は術後6時問で初めて確認された。iNOS抑制剤投与はCOX-2、炎症性サイトカイン発現を著明に抑制した。以上より、歯髄炎の初期成立過程にマクロファージ由来の一酸化窒素が関与する可能性が示唆された。
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