研究課題/領域番号 |
11470403
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中林 宣男 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (30014020)
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研究分担者 |
渡辺 昭彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30126263)
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2000年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 人工エナメル質 / 樹脂含浸象牙質 / ハイドロキシアパタイト / コラーゲン / 4-META / MMA-TBBレジン / モノマー透過性 / ミニダンベル型引張試験 / アセトンプライマー / スミヤー層 / リン酸エッチング / 歯質接着性レジン / 人工エナメル / マイクロリーケージ / 耐酸性 |
研究概要 |
脱灰象牙質のモノマー透過性を左右する因子を明確にするため、無添加、NaCl、CaCl_2,FeCl_3を溶かした10%リン酸で、スミヤーを除去した湿潤象牙質に5%4-METAのアセトンプライマーを使い、MMA-TBBレジンを接着させた。得られた試料の接着強さをダンベル型試料で計測した。その接着強さは10.7±4.5(無添加)、15.0±7.0(NaCl),19.5±5.5(CaCl_2),27.8±8.1MPa(FeCl_3)とカルシウムと鉄塩を溶かしたときに有意に向上した。破断面はどちらもレジンの凝集破壊であった。1価のナトリウムイオンと無添加の時は他の2群より有意に接着強さは低かったが、この2群間では有意差はなかった。どちらも残留脱灰象牙質での破断が観察された。元々10%リン酸エッチングは象牙質接着にはあまり有効ではなかったが、これは高分子電解質を可溶化させること、象牙質コラーゲンを一部可溶化するためであることが分かった。コラーゲンの可溶化防止にはグルタルアルデヒドなどでコラーゲンを架橋する必要がある。高分子電解質については、2価のカルシウムイオンあるいは3価の鉄イオンは高分子電解質を不溶化して、モノマーの拡散性を改善するとともに、脱灰象牙質から水を除去しやすくする上で効果があることを明らかにできた。これによって、樹脂含浸象牙質のポリマー含量が増加し、樹脂含浸象牙質と健全象牙質の間に加水分解されやすい脱灰象牙質の残留を阻止し、接着の長期安定性が期待できる事が分かった。そして良質の人工エナメル質を拡散能に乏しいMMA-TBBレジンでも作れることができた。MMA-TBBレジンは合着用レジンセメントとして利用できる
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