研究分担者 |
石川 香 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90335365)
古谷 暢子 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10314387)
野首 孝嗣 (野首 孝祠) 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80028753)
安井 栄 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40294110)
|
配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
|
研究概要 |
下顎頭運動軌跡を6自由度顎運動測定装置にて記録し,バイトプレーンの装着が下顎頭運動奇跡に及ぼす影響を検討したところ,以下の結果が得られた. 1.バイトプレーン上で,咬合接触点を後方臼歯から順次削除し,咬みしめ時の下顎頭位の変位量を比較したところ,安静時もしくは下顎にほとんど負荷がかかっていない時に下顎位を安定させるためには両側第二小臼歯間の咬合接触があれば対応可能であるが,咀嚼時など機能力を発揮した時に下顎位を安定させるためには,少なくとも両側第一大臼歯間の咬合接触が必要である事が示唆された. 2.有歯顎者において最大咬みしめ時の下顎頭移動量について検討した結果,最大咬みしめ時の下顎頭移動量の左右差は,全被験者の67.9%(38名)において0.2mm未満であった.また,上下顎の咬合接触状態に左右差が存在すると,咬みしめ時に下顎頭の移動量に左右差が大きいことが示された.一方,顎関節部に雑音等の症状を訴える者はそうでない者と比較して咬みしめ時の下顎頭移動量の左右差が大きいことが示された.以上のことから,咬合接触状態の左右差が顎関節症発症の一因となっている可能性の高いことが示された. 3.バイトプレーン療法によって症状に軽減の認められた患者と症状に変化が認められなかった患者に対してバイトプレーン装着前後で咬みしめ時の下顎頭の変位量を調べたところ,症状に軽減の認められた患者群ではバイトプレーンを装着すると咬みしめ時の下顎頭移動量の左右差が減少していることが示された. これらの結果から,顎関節症の発症要因の1つとして咬みしめ時の下顎頭移動量の左右差が考えられ,バイトプレーン療法の効果が認められた患者ではバイトプレーンを装着することによってこの左右差が解消されていることから,これがバイトプレーン療法の作用機序の1つであることが示された.
|