配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
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研究概要 |
本研究では,嚥下反射と呼吸機能の相互作用に及ぼす中枢神経,筋活動性について検討した.ヒトを対象とした上気道の抵抗性を測定した実験では,0.05〜0.075mg/kgのミダゾラム静脈内投与による鎮静法下で睡眠時無呼吸症候群に似た結果が得られた.すなわち圧・流量曲線の解析結果から,上気道の抵抗値の上昇は,主に臨界圧の上昇によるものであることが明らかになり,閉塞部位は軟口蓋部であることが推測された.次に,鎮静法中の顎位の変化が上気道開通性にどのような影響を与えるかを検討した実験では,鎮静法下で切歯間距離が1cm程度の開口操作では上気道抵抗値を上昇させないが,3cm程度の開口が上気道の抵抗値を著しく上昇させることが明らかになった.この時の閉塞部位は,舌根部あるいは口蓋舌骨筋を介した軟口蓋の挙上が考えられた.さらに鎮静法時の体位変換の影響を検討した実験では,30度の上体挙上と頭部伸展が上気道抵抗値を有意に減少させ,臨界圧も減少させることが明らかになった.肺容量の変化よりも,重力の影響の方が重要であると考えられた.以上の実験結果は,鎮静法時の安全な管理法,睡眠時無呼吸のスプリント治療などの定量的診断法の確立のために重要な基礎データになると考えられた.本研究では,上記のように圧流量曲線の解析から上気道の抵抗値を定量的に検討する独創的な手法により,きわめて興味深い知見が得られている.最新の知見をもとにしたいくつかの新規実験により,睡眠時無呼吸の画期的な治療法を現在,検討中である.
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