研究課題/領域番号 |
11470460
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70161049)
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研究分担者 |
大井田 新一郎 鶴見大学, 歯学部, 助教授 (10114745)
小田 茂 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70160869)
黒田 真司 東京医科歯科大学, 歯学部・附属病院, 助手 (50323689)
飯村 忠浩 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20282775)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2000年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1999年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
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キーワード | 歯周組織 / 再生 / アメロジェニン / S100A4 / カルシウム結合タンパク / 石灰化 / メカニカルストレス / 骨 / 歯根膜 / 分化 / エナメルタンパク |
研究概要 |
本研究の目的は、歯根膜組織中に存在する石灰化組織形成抑制因子、およびエナメル基質中に存在すると推測されている歯根膜細胞の分化促進因子を同定することである。ウシ歯根膜組織のcDNAライブラリーを作製し、カルシウム結合タンパクの一つであるS100A4のcDNAをクローニングした。そして、S100A4の発現が萌出した歯の歯根膜組織で著しく高いこと、歯根膜細胞がこのタンパクを分泌し、分泌されたS100A4は歯根膜のコラーゲン分子に近接して存在することを明らかにした。リコンビナントS100A4タンパクを、骨芽細胞の培養系に加えると、骨様組織の石灰化を抑制した。培養歯根膜細胞にメカニカルストレスを負荷すると、細胞骨格系タンパクとともにS100A4の発現が増加した。骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1細胞)におけるこのタンパクの発現は低いが、このタンパクの発現を抑制するとMC3T3-E1細胞はより多くの石灰化組織を形成した。これらの結果から、S100A4は歯根膜組織における石灰化組織形成抑制因子として作用していると考えられる。一方、ブタのエナメル基質抽出物(EMD)は、ウシ歯根膜細胞およびマウス骨髄細胞由来のKusa細胞の増殖と分化を促進し、石灰化組織の形成量を増加させた。EMDが骨芽細胞に対しても促進作用を示すことは、歯周組織の再生においてもプラスに作用していると考えられる。EMD中の有効成分を明らかにすることが重要であるが、Kusa細胞はEMD中の生理活性物質を追跡するのに有用な細胞である。ブタのリコンビナントアメロジェニンがKusa細胞の分化誘導を促進したことから、EMD中の有効成分がアメロジェニンである可能性は高いと考えられる。この点に関してはより詳細な研究が必要であるが、アメロジェニンのリコンビナントタンパクが歯周組織の再生に利用できる可能性は高いと考えられる。
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