配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2001年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1999年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
原型配位子としてキラルなスピロビインダンビスホスファイト配位子,ビスオキサゾリン配位子およびN-オキシド配位子を設計・合成してその不斉触媒反応への応用を検討し,以下の成果を得た。1,キラルな2価ロジウム錯体を触媒とする二重不斉芳香環C-H挿入反応により鎖状化合物から一段階でキラルなスピロ化合物を合成する手法を開発した。本法を応用して新規ビスホスファイト配位子(1,1'-ビインダン-2,2'-ジイルテトラフェニルジホスファイト)を合成した。2,上記配位子が,パラジウムを触媒とする不斉アリル位置換反応及び不斉Pauson-Khand反応の配位子として有用であることを見出した。これは,自由度の大きなリン上のアリールオキシ基の配座を剛直なビインダン骨格が効果的に制限した結果である。3,不斉芳香環C-H挿入反応を用いて合成したキラルな新規ビスオキサゾリン配位子の銅錯体が,不斉Diels-Alder反応および不斉シクロプロパン化反応において高いエナンチオ選択性を与えることを見出した。これは今後の高性能ビスオキサゾリン配位子の設計に新たな指針を与えている。4,先に当研究室で開発したキラルN-オキシド(3,3'-ジメチル-2,2-ビキノリンN, N'-ジオキシド)が,ヨウ化カドミウムを触媒としたエノンに対するチオールの不斉共役付加反応及びスカンジウムトリフラートを触媒としたケトエステルの不斉Michael反応の配位子として,また,キラルN-オキシドが四塩化ケイ素によるmeso-エポキシドの不斉開環反応の触媒としても有用であることを見出した。これらは,有機合成化学における配位子としてのN-オキシドの新たな可能性を拓くものである。
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