研究課題/領域番号 |
11470467
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中川 昌子 千葉大学, 薬学部, 教授 (40009171)
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研究分担者 |
西田 篤司 (西田 篤志) 千葉大学, 薬学部, 助教授 (80130029)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1999年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
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キーワード | マンザミンA / マンザミンB / ナカドマリンA / アルカロイド / 抗マラリア剤 / Diels-Alder反応 / ヒドロイソキノリン / オレフィンメタセシス反応 / マンザミン / 抗マラリア作用 / シロキシジエン |
研究概要 |
海綿由来アルカロイド、マンザミンAは細胞毒性を有すると共に、強力な抗マラリア活性を示すことから注目されている。マンザミンA及び関連するアルカロイド類の不斉全合成、さらにそれらを分子基盤とする高活性機能性分子の開発、またマンザミン骨格に特徴的な大環状アザシクロアルケンの合成に必要なオレフィンメタセシス反応の改良を目的として研究を行った。 1)L-セリンを不斉源として合成したジヒドロピリジノン環を有するキラルジエノフィルとシロキシジエンのDiels-Alder反応、続く分子内Mannich反応を経て光学活性ABC三環性中間体の大量合成法の確率に成功し、オレフィンメタセシス反応を用いてアゾシン環を構築しABCD四環性中間体を得ることに成功した。 2)光学活性ABCD四環性中間体よりB環部のエノン構造を構築しE環構築に必要な炭素鎖の導入を検討しようとしたが、三級アミンが近接するためアリルアルコールの酸化が進行せず合成経路の変更を余儀なくされた。そこで、ABC三環性中間体を用いてE環構築の手がかりとなるエノン構造の構築、さらにエノンカルボニル基への炭素鎖の付加を検討した。その結果、目的とする付加体が得られることが判明した。また、B環部にβ-カルボリン構造の構築も行った。現在さらにマンザミンA合成へ向けて検討中である。 3)3-シロキシビニル-1,2,5,6-テトラヒドロピリジン誘導体とプロピオール酸メチルとのDiels-Alder反応を検討し、ヒドロイソキノリン骨格を有する付加体を高収率で得ることに成功した。本付加体を、モレキュラーシーブス4Aおよびメチルアクリレート存在下、テトラブチルアンモニウムフロリドと反応させたところ、環接合部に立体選択的にアルキル側鎖が導入されたシスヒドロイソキノリノンを合成することができた。本化合物を用いてマンザミンBの全合成を検討中である。 4)ナカドマリンAは、抗菌性、抗腫瘍性を有し、マンザミンファミリーの一つであり、イルシナールAからの生合成経路が提唱されている。ナカドマリンAは他のマンザミンにはないフラン環を含む8/5/5/5/15/6ring systemをもち、これまで全合成例はない。我々は、先のマンザミン合成中間体のB環を環縮小し立体化学を保持したままナカドマリンのring systemを構築するルートと4-ケトピペリジン誘導体を出発原料としスピロラクタムをへて、ハロフランとのカップリング、カチオン性閉環反応を経る合成経路を検討中である。また、得られた合成中間体の生物活性も検討した。
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