研究課題/領域番号 |
11470480
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野水 基義 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00311522)
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研究分担者 |
倉富 勇一郎 九州大学, 医学部, 講師 (30225247)
宇谷 厚志 千葉大学, 付属病院・皮膚科, 講師 (10292707)
西 則雄 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (70001857)
門谷 裕一 北里大学, 医学部, 講師 (10185887)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
2001年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1999年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 基底膜 / ラミニン / シンデカン / 細胞接着 / ペプチド / インテグリン / 組換えタンパク / ヘパリン / 神経突起伸長 / 細胞外マトリックス / タンパク質 / 機能部位 |
研究概要 |
個体の発生や分化に重要な働きをしている基底膜の主要成分のラミニンに注目し、ラミニンの機能に関わる活性ペプチドの同定と、器官発生、神経再生、創傷治癒などの高次生命現象に及ぼす役割を解明し、細胞特異的に働く活性ペプチドを医薬分野などに応用するための基盤づくりを目的に研究を行った。まず、ラミニン-1分子の細胞接着活性部位の情報をもとに他のラミニンアイソフォーム上の相同部位に由来する部分ペプチド(300種類)を合成し、単層培養系を用いた細胞接着活性の測定を行うことにより、5種類の強い細胞接着活性をもつものを同定することができた。この中には、神経突起伸長やがん転移を促進するものが同定できた。これらの研究からラミニンα鎖のGドメインが生物活性に重要な働きをしていることがわかってきた。そこで、ラミニンα3鎖、α4鎖、α5鎖のGドメインにおける生理学的な意味を解明するため、数種類の組換えタンパク質を動物細胞を用いて発現し、それらの生物活性の解析を行った。さらにGドメインのアミノ酸配列をすべて網羅した合成ペプチドを約千種類作成し、活性部位の同定を行った。また、組換えタンパクと合成ペプチドを用いてこれら3種類のGドメインのヘパリン結合部位の同定や、α3鎖Gドメインへの細胞接着はシンデカンに依存していることの証明を行った。本研究成果は、従来のECMの受容体といえばインテグリン一辺倒であった時代からの脱却を促すものである。また、これらの研究からシンデカンがインテグリンと何らかの相互関係を保持しているという新たな側面もみえてきた。以上の研究結果は、ラミニン活性ペプチドの器官発生、神経再生、創傷治癒や血管新生などの高次生命現象に及ぼす組織特異的な役割を分子レベルで解明していくことの可能性と、組織特異的に働くラミニン活性ペプチドの医薬分野への応用の可能性を示唆するものである。
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