配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
2001年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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研究概要 |
IL-1は、免疫、炎症、造血、内分泌等の生体反応や細胞の増殖分化の調節に重要な役割を果たしている.本研究では、ヒトメラノーマ細胞A375に対するIL-1の増殖抑制機構を中心とするIL-1のシグナル伝達機構in vitro, in vivoにおけるIL-1Rおよびそのファミリー遺伝子の発現調節機構を明らかにする.本研究により、以下の点が明らかになった。 1)アンチザイムの翻訳がIL-1刺激により促進され、それにはAZ遺伝子翻訳内部分が関与していることが示唆された。 2)CHOPは、IL-6の転写を亢進することにより、IL-1による増殖抑制作用に寄与していた。 3)CHOPは、P38MAPK非依存的な機構で、NF-IL-6,AP-4,ISRE, NF-kB等の種々の転写因子の活性も増強した。 4)さらにCHOPは他のC/EBPファミリー転写制御因子の安定化の制御にも関係していることが明らかになった。 5)IL-1感受性株A375-6からIL-1耐性株A375-R8が得られているが、ともにTNFにより増殖は抑制される。しかし、TNFによりA375-R8のみにアポトーシスが誘導された。解析の結果、A375-6では、P38MAPKを介する増殖抑制の系が主であり、R8ではP38MAPKを介さないアポトーシス系も働いていること、さらに、A375-6に存在する代謝回転の速い抗アポトーシス因子が、R8では欠損していた。 6)ヒト線維芽細胞に対して、チロシンキナーゼ阻害剤がIL-1RIの発現を抑制するが、それは翻訳以降の過程に作用していた。 7)IL-1Rファミリーで、細菌やその成分のシグナルを伝達するTLR2,TLR4のmRNA発現を調べたところ、マウスの肝細胞でLPS, IL-1,TNFなどの刺激によりTLR2のmRNA発現が増強されたがTLR4のmRNA発現には変化がみられなかった。従って、IL-1R, TLR2,TLR4の遺伝子発現制御機構は、それぞれ異なっていることが明らかになった。さらに、TLR2のmRNAの発現にはNF-kBが重要であることが明らかになった。
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