研究課題/領域番号 |
11470488
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
柴沼 質子 昭和大学, 薬学部, 助教授 (60245876)
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研究分担者 |
西谷 直之 昭和大学, 薬学部, 助手 (10286867)
真下 順一 昭和大学, 薬学部, 講師 (60054045)
江川 清 昭和大学, 薬学部, 講師 (00095879)
大場 基 昭和大学, 薬学部, 助手 (70297018)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1999年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | Hic-5 / 接着斑 / FAK / 核移行 / c-fos / Sp1 / NES / 過酸化水素 / c-foc |
研究概要 |
細胞接着斑蛋白質Hic-5はパキシリン類似体で、インテグリンからのシグナル制御に関与すると考えられる。培養繊維芽細胞を用いた実験から、フィブロネクチン刺激の細胞応答に関し、Hic-5はパキシリンとチロシンキナーゼFAKを競合し、細胞運動および伸長の抑制をすることが明らかとなった。この抑制はSrc、または活性型の低分子G蛋白質Raclの強制発現により解除されたことから、Hic-5は接着斑においてFAKを競合してこれらのシグナル分子の活性化経路を阻害することを示唆している。一方、接着斑に局在するHic-5は、細胞をレプトマイシンBで処理すると核に集積することから、Crm-1依存的な核排出シグナル(NES)を持つことが予想され、Hic-5は細胞接着斑と核の間をシヤトルすることにより細胞形質の調節に重要な役割を果たすことが考えられた。特に、酸化ストレスによりHic-5蛋白質は核へ移行し、N末端領域のLD3ドメインがNESとして機能することが明らかになった。また、酸化ストレスに応答して核へ移行するためには、LD2付近に存在するHic-5特異的な2個のCysが必要であることも示された。Hic-5の核での標的遺伝子を強制発現した細胞で検索したところ、c-fos遺伝子の発現が上昇することが明らかとなった。この遺伝子の発現に関しては、正常ヒト繊維芽細胞で過酸化水素で誘導される誘導が、dominant negative Hic-5(LIM-4欠損)により抑制されたたあ、酸化ストレス下の内在性c-fosの転写制御にHic-5が関与することが考えられる。これらの遺伝子の5'上流を持つレポーターを用いて解析した結果、c-fosではHic-5応答領域は5'上流約1.5kbにあり、血清応答エレメントとは異なる新しい転写制御領域が同定できた。ここには多くの転写エレメントが存在するが、Sp1エレメントが少なくとも一つの標的となっていることが明らかになっている。
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