研究課題/領域番号 |
11470493
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 洋史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80206523)
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研究分担者 |
西村 憲治 三共(株), 分析代謝研究所, 所長(研究職)
加藤 将夫 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30251440)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
2000年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | MDR1 / MRP2 / MRP3 / 消化管吸収 / 消化管分泌 / CYP酵素 / 小腸上皮細胞 / Caco-2細胞 / ABCトランスポーター / 有機アニオン系化合物 / MDR1 P-糖タンパク / CYP3A4 / MRP / 有機アニオン |
研究概要 |
消化管吸収は、経口投与される薬物のバイオアベイラビリティーを決定する重要な因子の一つとなる。CYP3AとMDR1の基質特異性は極めて類似していることから、これら2種類の蛋白の協奏的な働きにより、多くの化合物の消化管吸収が制限されている。ここで、それぞれの蛋白の寄与を明らかとするため、特異的な阻害剤の検索を行った。その結果、CYP酵素に対しては、L754,394が、MDR1に対してはPSC833が最も選択性高く阻害することが明らかとされた。これらをヒトを用いたin vivo実験に用いることにより、両蛋白の寄与が決定されるものと考えられる。 一方、種々有機アニオン系化合物も、小腸における排出輸送担体の基質となるものと考えられる。本研究では、特に有機アニオン排出輸送担体となる、multidrug resistance associated protein(MRP)ファミリー蛋白に焦点を当てた検討を進めた。MRP2は小腸上皮細胞刷子縁膜上に発現され、MRP2欠損ラットではその発現が欠損している。正常およびMRP2欠損ラットを用いて検討を加えたところ、MRP2が、有機アニオン系化合物の消化管吸収を抑制することが示唆された。 また、小腸血管側膜上に発現されるMRP3は、化合物の吸収に関与するものと考えられる。基質特異性について検討を進めた結果、MRP3はグルクロン酸抱合体、種々非抱合型有機アニオン性化合物、さらにタウロコール酸などの一価の胆汁酸をも基質とすることが明らかとなった。さらに、小腸より血管側膜ベシクルを調製することにより、グルクロン酸抱合体を基質とするMRPファミリー蛋白が発現されることが明らかとされた。これらの排出輸送担体機能を調節することにより、薬物消化管吸収性を向上させることが可能となるものと考えられた。
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