研究課題/領域番号 |
11470495
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医薬分子機能学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
乾 賢一 京都大学, 医学研究科, 教授 (70034030)
|
研究分担者 |
増田 智先 京都大学, 医学研究科, 助手 (90303825)
桂 敏也 京都大学, 医学研究科, 助手 (10283615)
齋藤 秀之 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40225727)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2000年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1999年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
|
キーワード | 有機カチオントランスポータ / 有機アニオントランスポータ / 腎臓 / 排泄 / 尿細管分泌 / 薬物輸送 / 薬物相互作用 / ペプチドトランスポータ / CaCo^2細胞 / 性差 / H^+ / 3級アミン交換輸送系 / テトラエチルアンモニウム / P-糖タンパク質 |
研究概要 |
本研究では、イオン性薬物の腎排泄機構を体系的に解明することを目的として、薬物腎排泄に関わる有機イオントランスポータ群における種々アイソフォームの構造・機能・尿細管分布特性の比較解析を実施し、以下の研究成果を得た。 1.有機カチオントランスポータ、OCT1とOCT2の基質認識特性について検討したところ、多くのカチオン性薬物が類似した基質親和性を示すことが判明した。また、免疫組織化学的解析を行い、OCT1とOCT2が異なる尿細管分節の側底膜側に発現していることを明らかにした。さらにOCT2の発現に性差が存在し、雄性ラットにおいてその発現が亢進していることを見いだし、性ホルモンによる調節を受けていることを明らかにした。 2.腎特異的有機アニオントランスポータOAT-K1の機能特性について解析し、OAT-K1の基質であるメトトレキサートが二方向性に輸送されること、細胞内のメトトレキサートは細胞外の葉酸誘導体と交換輸送されうることを明らかにした。さらに、OAT-K1のアイソフォームであるOAT-K2のクローニングに成功した。その機能特性について解析した結果、OAT-K2はOAT-K1と向様に多様な脂溶性有機アニオンを輸送することが判明した。また、OAT-Kファミリーとは機能特性の異なるOAT1の基質認識特性について解析し、フロセミドやアセタゾラミド等の利尿薬がOAT1を介して輸送されることを明らかにした。さらにメトトレキサートがOAT1を介して輸送されること、この輸送がインドメタシンなどの非ステロイド性抗炎症薬によって競合的に阻害されることを見いだし、OAT1がこれら薬物間の相互作用部位である可能性を示した。 本研究で得られた成果は、薬物腎排泄の予測・評価や腎排泄過程における薬物間相互作用の予測に有用な基礎的情報を与えるものと考える。
|