配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1999年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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研究概要 |
慢性関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、Crohn病の病因、病態を、ゲノム研究のアプローチを用いて検討した。 まず、過去に系統的な多型スクリーニングが施行されていなかった遺伝子(TNFR2,FCGR2B, CD28,CTLA-4,CD80, CD86,CD22,SHP-1,CCR3,CCR4,CXCR1,CXCR2,CXCR3,BLYS, BCMA, OX4OL, NKG2A, NKG2C, CD94, IKKA)の多型スクリーニングを施行し、多数の新規の多型を見いだした。これらの多型および既知の多型(HLA-DRB1,TNF, FCGR2A, FCGR3A, FCGR3B)について、日本人患者群、健常対照群における遺伝子型を決定し、疾患との関連を検討した。この結果、TNFR2-196RとSLEとの関連、FCGR2B-232TとFCGR3A-176FのいずれもがSLEと関連すること、HLA-DRB1^*0405とTNFα-1031C、-863A、-857CハプロタイプのいずれもがCrohn病に関連すること、CD19の3'非翻訳領域のGTリピート多型がSLEと関連することなどを初めて見いだした。これら以外にも、ほかの遺伝子との組み合わせて疾患との関連が検出される多型や、機能的な違いと関連することが示唆される複数の多型を見いだした。 また、炎症局所において優先的に発現する遺伝子を、未知の遺伝子も含めて同定する目的で、differential display法を用いた検討を行った。RA滑膜では、変形性関節症を対象とした検討により、19個の遺伝子断片の発現上昇が認められた。それらのうちで、病態との関連が特に注目されたIdファミリー遺伝子群について、免疫組織化学的検討を行い、滑膜組織内の血管内皮細胞における発現亢進を見いだした。Crohn病においては、同一患者における病変部、非病変部の比較から、病変部において、FLIP, TNIKなど、病態との関連づけが可能である興味深い遺伝子が過剰発現することが見いだされた。
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