研究課題/領域番号 |
11480004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
征矢 英昭 (従矢 英昭) 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (50221346)
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研究分担者 |
藤川 隆彦 三重大学, 医学部・生化学, 講師 (60293776)
瀧田 正寿 産業技術総研, 人間福祉医工学, 主任研究員
滝田 正寿 工学技術院, 生命工学研究所, 主任研究官
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1999年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 走運動 / EDNF / 神経可塑性 / 神経新生 / モリス水迷路 / 発育期 / 走トレーニング / 海馬歯状回 / BrBU / トレーニング / 海馬 / BDNF / 遺伝子発現 / 走運動トレーニング / 栄養効果 |
研究概要 |
本研究ては、運動条件(強度、時間、頻度)を制御できる動物用トレッドミルを用いて、脳神経細胞の可塑性が高い発育期ラットを用い、乳酸性作業閾値(LT)を基準として、低強度群(15m/min)と高強度群(25m/min)とに分け、異なる強度での急性運動が海馬をどのように活性化するかを検証した(課題1)。さらに、同様な運動で4週間トレーニングさせ、海馬でのBDNF mRNA発現ならびに空間学習能力に与える影響を検討した(課題2)。最後に、同様な運動が海馬歯状回における神経新生率に及ぼす効果を合わせて検討した(課題3)。 課題1では、急性運動か海馬のBDNF遺伝子発現に及ぼす効果をみたところ、運動によるBDNF発現の増加は見られたが、強度の違いによる発現量の差は見られなかった。このことは、急性運動の場合、低強度ても十分海馬を活性化しうることを示唆する。課題2ては、LTを境とした二つの異なる運動強度で4週間のトレーニングを行い、それにより海馬BDNF遺伝子発現、水迷路学習の効果を検証した。BDNF遺伝子発現は、急性効果と異なり、高強度運動で有意な増加がみられた。この時、副腎皮質の肥大やコルチコステロンレベルも増加していたことから、慢性的なトレーニングは高強度であっても、またストレスレベルが増加しても、海馬の神経可塑性を高めうることを示唆する。しかし、水迷路学習による空間認知機能には効果がみられなかった。行動面からは海馬の神経可塑性の向上をみることはできなかった。 以上のことから、走運動は急性でも慢性でも、海馬の神経を活性化しうるか、急性条件ではLTよりも低強度で、慢性条件ではLTよりも高強度がより効果的てある。さらに、トレーニングによる慢性効果では、海馬のBDNF遺伝子発現が高まり、神経新生率も増加傾向にあることから、走運動のトレーニングは海馬の可塑性を高める刺激となりうることが示唆された。
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