研究課題/領域番号 |
11480006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
真田 久 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (30154123)
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研究分担者 |
岡出 美則 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (60169125)
近藤 良享 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (00153734)
高橋 健夫 筑波大学, 体育科学系, 教授 (60029725)
田原 淳子 中京女子大学, 健康科学部, 助教授 (70207207)
舛本 直文 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70145663)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | オリンピック教育 / 近代オリンピック / オリンピズム / 一校一国運動 / ジェンダー / ドーピング / オリンピック / 教育的意義 / 異文化理解 |
研究概要 |
本研究は、日本におけるオリンピック教育の構築を目指して、オリンピックの教育的な意義を明らかにする事を目的とした。その結果、以下の事が研究成果としてまとめられた。 1.オリンピック教育とはオリンピック憲章の理念実現に向けて展開される教育活動である。オリンピックカリキュラムにはスポーツ教育に平和教育、グローバル教育、マルチカルチャー教育並びに美的教育が組み込まれていくものと理解できる。スポーツを通しての相互理解が平和の構築に貢献していくことを実感し、.自己の最善を尽くすことを信条としていく道を開くという意味で、教育的な意義が高いといえる。 2.各国のオリンピック教育のテキストの内容を分析したところ、オリンピックの理念、歴史、著名なオリンピック選手の紹介のほか、異文化理解、ジェンダー、ドーピング教育など多岐にわたっていた。またCD-ROMやビデオ教材などをインターネットを併用しての教材も多く見られた。映像メディアを活用する際には、メディアリテラシー教育を施す事も重要である事が示唆された。 3.日本においては、1998年に長野市で実施された「一校一国運動」がオリンピック教育に当たる。「一校一国運動」を実践した小学校の子どもたちのうち、異文化理解を実感した子どもたちは、平和への貢献や人類の連帯感などに通じるオリンピックの理念を、よく理解していた事が明らかになった。 4.ジェンダーについては、オリンピックと女性に関わる教育内容として、.スポーツと社会の双方における女性の役割の変化を認識させるとともに、性差別を含む、他のあらゆる偏見や差別にまで視野を広げることが重要であることが明らかになった。単にオリンピック大会に関する知識を提供するに留まらず、日常生活や人生に結びつく知恵として、あるテーマに関する事象を深く理解させ、またそれについて思考する教育的契機を与えるものとして注目される。このような視点でのオリンピック教育の構築が重要である。 5.オリンピック教育はオリンピックの優れた面のみだけではなく、功と罪の両面について生徒達に教え、自らの考えをまとめさせることが、教育的な意義から大切であるといえる。 今後の課題としては、長野市、シドニー、ソルトレークで行われたオリンピック教育がその後どのように展開されているのかを調査しながら、日本における学校教育の中での展開例を具体的に構築することである。
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