研究分担者 |
野間 晴雄 (野間 晴夫) 奈良女子大学, 文学部, 教授 (00131607)
出田 和久 奈良女子大学, 文学部, 教授 (40128335)
戸祭 由美夫 奈良女子大学, 文学部, 教授 (60032322)
小方 登 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (30160740)
高田 将志 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (60273827)
山近 久美子 防衛大学校, 人文科学教室, 講師
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研究概要 |
本研究は,地上解像度2-3mのCorona衛星写真を中心に,撮影年次の異なる高解像度の衛星画像(LANDSAT TM画像,SPOT画像)および空中写真を用いて,様々な地域・環境を対象とした景観復元と環境変化の解析を行い,併せてその有効性について検討して,以下のような成果が得られた. 相馬は,トルファン盆地を対象に,主要な故城遺跡と故城内外の詳細な遺跡分布などの検討により,それぞれの立地環境が相違すること,また,カレーズの分布形状・規模・立地条件などを分類し,新中国成立以降における水利用の変容・地下水位の低下に対応するカレーズの変容を明らかにした。さらに,中国の洞庭湖における近年の湖面減少では,長江分流沿いの干拓・耕地化から新中国成立後は湖面の干拓・耕地化へ変質したことを指摘した。 戸祭は,19世紀後半に北海道南端部に新営された箱館奉行所の跡地利用の変化を,建設当時の様子を示す古地図,米軍モノクロ写真,1998年撮影のカラー空中写真などから,詳細に示した. 山近は,渤海国の主要道である五道の体系および日本道の範囲と経路について検討し,「日本道」に関する具体的な交通路像の一端として明らかにした。 出田は,パキスタン,タキシラ地域の都市遺跡および周辺の仏教遺跡について,周壁や稜堡,さらには道路遺構などについて詳細な内容を報告した. 高田は,チベット高原南部のプマユムツオ湖周辺およびブータン西部の山岳地域を対象として,氷河変動と環境変動に関わる解析を行い,近年の温暖化に伴う氷河の後退と氷河湖の形成過程や、最終氷期以降の環境変化の一端を明らかにした。 小方は,メソポタミアの都城遺跡の立地とプランについて,古い文献を引用しつつ,Corona衛星写真の詳細な判読を利用して古代の情景の再現に努めた. その他の研究分担者は担当地域の環境変化について,衛星写真などを利用して検討した.
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