研究分担者 |
山本 利和 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20200826)
寺本 潔 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (40167523)
岡本 耕平 名古屋大学, 文学部, 助教授 (90201988)
村越 真 静岡大学, 教育学部, 助教授 (30210032)
竹内 謙彰 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (40216867)
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研究概要 |
本研究課題で得られた知見は,以下のよう.にまとめられる。 (1)大学生を対象とした地図利用実態に関するアンケート調査を実施したところ,地図の利用度や関心の高さに応じて,用いる地図の種類だけでなくパソコンの利用度も異なることなどが明らかになった。 (2)コロプレス図における階級区分の仕方によって伝達される情報にいかなる違いが現れるかを比較検討し,主題図の表現に際しては,地図表現のルールとデータ処理の手続きを十分に理解した上で適切な表現方法を選択する必要性があることを示すことができた。 (3)地形図を読む際の読図者の視線の動きを測定した結果,読図の熟達者と素人との間で記号探索の方法がやや異なり,読図過程は様々な既有知識を動員した能動的なプロセスであることが判明した。 (4)地図を用いた経路探索の成立条件に関する実験を行い,道案内図を用いた所在地の同定に際しては、空間的能力の高い者ほど少ない情報から所在地を推理でき,道案内図によるナヴィゲーションの遂行には、空間的能力の個人差も関係していることが明らかになつた。 (5)方向感覚質問紙(SDQ-S)の得点と地図利用に関わる空間的課題に対するパフオーマンスとの関係を検討したところ,両者の間に関連性がみられることを確認した。 (6)空間的能力の性差をめぐる最近の話題などを地理教育の立場から吟味し,総合的な学習の時間に地図を有効に活用する可能性を考察した。 (7)日米の観光案内書に掲載された道案内図の表現を比較した結果,両国の都市における住居表示システムや街路パターンの違いを反映して,地図の表現様式に違いがみられることが明らかになった。
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