研究課題/領域番号 |
11480021
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
家政学一般(含衣・住環境)
|
研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
松生 勝 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (80091841)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
|
キーワード | 膚に優しい / ゼラチン / ブレンド / ポリビニルアルコール / 相溶性 / ミクロ相分離 / 1次元彎曲PSPC / スピノーダル分解 / ゲル-結晶化 / 延伸 / 膚に優しい繊維 / ゲル化 / 不溶化 / 結晶回折ピーク |
研究概要 |
より快適な生活を求める21世紀において、皮膚にやさしい下着やおむつカバーの素材となる繊維の開発は欠くべからざる重要課題であるが、その研究報告例は少なかった。そこで、膚に優しい繊維としてセルロース及びその誘導体とゼラチンとのブレンド、さらにはポリビニルアルコール(PVA)とゼラチンのブレンドの研究を溶液ブレンドの立場から種々の溶媒を用いて、次の点に力点をおいて研究を推進した。1)ポリビニルアルコール(PVA)とゼラチンの溶媒を水とした場合、相溶性に乏しく相分離が生じる。この条件で繊維を作成すると、繊維の外側にゼラチンがPVAを取り囲む状態となる。この状態でゼラチンを不溶化すると、皮膚にやさしい繊維が作成しえる可能性がある。2)ポリビニルアルコールとゼラチンをジメチルスルオキシドと水の混液に溶解すると、半相溶性のためミクロ相分離が生じる。この素材は延伸性がある。このため、ゲル化の進行過程あるいは延伸後の試料中でのゼラチン分子の不溶化を行うかについて両者の長所、短所を検討した。 この研究には、理学電気の1次元彎曲PSPCを既設のX線回折装置に取り付け、時間変化におけるゲル化の進行を検討した。この装置は2次元測定は不可能であるが、マクロな意味で等方性である物理ゲルでは、1次元測定で充分である。この結果、ゲル化は溶液をスピノーダル温度以下まで急冷すると急速に進行するが、スピノーダル温度付近では急激なゲル化が進行せず、相分離が顕著におこった。この相分離が発達すると乾燥ゲルはゼラチンとポリビニルアルコールに完全に分離され、延伸が不可能となった。しかしある温度範囲で急冷すると、相分離は充分に進行せず、延伸も可能であった。延伸後も界面でのはく離は生じることがなく、紡糸装置があれば膚に優しい繊維となることが判明した。
|