配分額 *注記 |
10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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研究概要 |
本研究では、人や自動車などのムービングオブジェクトの格納と動きに関する様々な問合せを可能とするムービングオブジェクトデータベースシステムを構築するための理論と実践を研究した.まず,ムービングオブジェクトの持つ時空間的な性質を記述するムービングオブジェクトデータモデルについて研究した.提案したモデルは,オブジェクトの動きに関するデータとして,オブジェクトの位置だけではなく,向き・傾き,更に軌跡やオブジェクト間の空間的な関係(距離関係・方向関係・位相関係)を時区間を用いてモデル化している.また問合せ言語としてドメインリレーショナル論理に基づくMOQLを提案し,その主要な機能を実装した.MOQLによって我々は様々な動きを表現することが可能となった.しかし,ムービングオブジェクトが「このように揺れている」というようなことをMOQLで表現しようとすると困難が生じた.そこで,本研究では,さらに,問合せ指定にモーションキャプチャリングシステムを利用して,所望の動きを実際に計測し,その動きと類似したデータを検索できるような問合せ体系をムービングオブジェクトデータベースシステムに導入することを研究した.そのために,二つのオブジェクト間の動きの同一性,基本類似性,部分列類似性,幾何変換類似性,時間変換類似性,時空間変換類似性を定義・導入した.特に基本類似性と時間変換類似性に基づく類似検索を実装して定義の妥当性を検証した.その結果,基本類似性については,たとえオブジェクトの動いた軌跡が同じデータであっても,動きの時間的変化が異なる程,似ていない動きとして判断できていることを確認した.しかし,速度の変化パターンを認識できるような新たな類似性の定義が必要であることも分かった.時間変換類似性については,動きを意味のあるコンポーネントに分けて検索することで,類似検索の精度が向上することを明らかにした.
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