研究分担者 |
中村 佳重郎 京都大学, 防災研究所, 助手 (20135510)
駒澤 正夫 産業技術総合研究所, 地球科学情報, 主任研究官
西村 敬一 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (60025468)
西田 良平 鳥取大学, 工学部, 教授 (90027269)
盛川 仁 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60273463)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
本研究は,厚い土質堆積層を有する構造盆地の3次元基盤構造を脈動観測と重力データを用いて推定するための実用的な方法を開発することを目的にしており,平成6〜8年度文部省科学研究費補助金による研究「脈動観測資料と重力データの併合処理による都市基盤構造の研究(課題番号06452415)」を発展させたものである。堆積盆の構造をモデル化するために,脈動のアレー観測による位相速度の解析と上下動-水平動スペクトル比(H/V)とを組み合わせて3次元速度構造モデルを推定し,重力探査から得られる3次元密度構造モデルとクロスチェックを行う。脈動の利用では,2点のみの同時観測によりレーリー波の分散を解析する方法(2sSPC法)が実用化された。本研究では,京都盆地,近江盆地,弓ヶ浜半島,鳥取平野,奈良盆地,広島市南部地域が,また外国では,中国雲南省麗江盆地,トルコ・アダパザルの立地する盆地など,主に最近の地震被害地域の構造が解析され,被害やその分布と基盤構造との関連が議論されている。奈良盆地については過去の地震被害の分布例は判らないが、その他の全てで、基盤が急峻である場所に被害が集中していることが明らかになった。堆積盆に立地する都市域のマイクロゾーニングに深い基盤構造の重要性が改めて指摘された。この解析方法は,外国の地震被災地等,先見的な情報の少ない地域の構造探査には極めて有効である。脈動は主にS波伝播速度の分布を,また重力は密度分布を反映するため,これら異なった物理量を利用することにより確度の高い構造の議論が可能であることによるが,れらの利用が未だクロスチェックの段階であり,両者を纏めて逆解析問題として扱うまでには至っていない。クロスチェックにより,脈動解析,重力解析それぞれにフィードバックして解決すべき新たな課題が見つかった。
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