研究分担者 |
白神 宏之 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助教授 (90183839)
宮永 憲明 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 教授 (80135756)
中井 光男 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助手 (70201663)
西原 功修 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 教授 (40107131)
西村 博明 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助教授 (60135754)
高部 英明 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 教授 (20150352)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1999年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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研究概要 |
レーザー核融合によるエネルギー開発では,その最大の障害である流体不安定を抑制することが決定的に重要である.本研究の開始前までの段階でわれわれは,実験で得られた流体不安定の成長率が,理論的存予測よりさらに低いことを発見し,この原因を電子の非局所エネルギー輸送によるものであると指摘した.不安定性の成長率が低下するのは,マクスウェル分布のテール部分の電子が自由に動き回ってエネルギーを運ぶために不安定面の密度分布が古典的な予測から低下し,その結果不安定面を通る流速が増大するためである. 流体不安定性が抑制される現象自体はレーザー核融合には「良い知らせ」であるが,将来の核融合炉においても同様のことが期待できるか否かは明らかではない.本研究の目的は,この疑問に答えるのに充分な物理的理解を得ることである.この目的を達成するために次の3つの研究を行った (1)不安定性の抑制効果が最も顕著に現れる短波長の擾乱の測定.我々は新たに考案したX線モアレ干渉法を不安定性の診断に適用することにより,これまで測定が出来なかった短波長の擾乱の観測に初めて成功した.短波長での成長率は非局所エネルギー輸送による計算と良く一致し,これまでの主張を裏付けた. (2)非局所エネルギー輸送の直接的証拠.X線半影法と位相型フレネルゾーンプレートを考案・開発することにより,不安定面のプラズマ密度測定に初めて成功した.この結果非局所エネルギー輸送による密度低下を直接測定することができるようになった. (3)炉心プラズマの安定性.将来のプラズマと類似の温度,密度をもった等価プラズマをつくりだすために,既存の12本のレーザーのエネルギーを集中させるレーザー装置HIPERを建設し,等価プラズマでの不安定性の成長率を測定した.
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