研究課題/領域番号 |
11480117
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
室賀 健夫 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 教授 (60174322)
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研究分担者 |
長坂 琢也 核融合科学研究所, 炉工学研究センター, 助手 (40311203)
西村 新 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60156099)
井上 徳之 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (20249965)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | 低放射化材料 / フェライト鋼 / バナジウム合金 / 低サイクル疲労 / 材料強度 / 核融合炉材料 |
研究概要 |
本研究は、核融合低放射化材料として有望な、低放射化フェライト鋼(JLF-1)およびV-4Cr-4Ti合金(NIFS-HEAT)について、それぞれ重要な設計データである低サイクル疲労試験、破壊靭性試験を規格あるいはそれに準じたサイズの試験片を用いて行ない、原子炉照射用などに進められている各種微小試験片による評価試験のベースを得ることを目的とした。まず、核融合炉構造材料候補材として期待され、大学の共同研究で開発した低放射化フェライト鋼JLF-1について、低サイクル疲労試験およびその基礎特性としての組織安定性の研究を実施し、JLF-1の優れた疲労特性を明らかにした。また、低サイクル疲労特性の基盤データとなるJLF-1の組織安定性に及ぼす熱処理条件の効果を明らかにした。特に、熱処理による格子定数や硬度、内部応力の変化と、溶接材料内部の変化の対応を明らかにし、溶接部の疲労特性の予測データおよび最適な溶接後熱処理条件や時効変化の特性を明らかにすることができた。さらに、評価された規格サイズ低サイクル疲労特性と、ミニサイズ試験、および中性子照射したミニサイズ試験の特性との比較が行なわれるとともに、高温硬度計、高温X線回折装置を持いて、高温保持中の強度変化と組織変化の同時観察が行なわれ、疲労特性の基礎情報となる動的な相安定性に関する知見が得られた。 次にV-4Cr-4Ti合金について、製作した高温真空試験チャンバーを用い、超高真空と大気での破壊靭性の比較試験を行った。バナジウム合金は一般に試験雰囲気の影響を受けやすいとされるが、試験の結果、雰囲気が破壊靭性試験に有意な影響を与えないことが明らかになった。本合金は、製作過程の影響で、圧延方向にチタンの析出物が層状分布しており、強度の異方性が懸念されたが、破壊靭性に関しては方向依存が認められなかった。また、規格サイズ試験を行なうのに必要な1インチ厚板の最適な熱処理を求める必要があり、板厚を変えた各試料につき熱処理温度と結晶粒成長の関係を明らかにし、950-1000℃が最適な温度であることが明らかになった。以上より、V-4Cr-4Ti合金の規格サイズ破壊靭性試験の手法を確立することができた。得られた試験データは、材料評価だけでなく、微小試験技術の確立のためにも極めて有益である。
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