研究分担者 |
平賀 富士夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00228777)
加美山 隆 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50233961)
澤村 貞史 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70002011)
川端 祐司 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (00224840)
古坂 道弘 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (60156966)
曽山 和彦 日本原子力研究所, 研究員
|
研究概要 |
狭い領域に高い強度のビームを作ることができれば,中性子利用の分野を拡大できる可能性がある.本研究では二つの方法による中性子収束を検討した.中性子の磁気モーメントを利用して6極磁場で収束させるもの(中性子磁気レンズ),もう一つはマルチキャピラリーファイバーによる収束である. 磁場収束については,実験における収束強度とシミュレーションによる結果が2倍異なっていたので,その理由について検討を行なった.その結果,磁気中性子レンズが磁場が強いためにゆがんでいて,それが収束強度に影響することが分かった.また,磁気レンズを二本組み合わせて,凸レンズと凹レンズとして働かせ,中性子ビームの収束と平行化をおこなうための基礎実験を行なった.この装置では二本のレンズの間に中性子のスピンフリッパーをいれて,スピン反転を行なう必要がある.このための装置を試作し,実際にスピンの反転が起こっていることが確認され,凸レンズ,凹レンズとして働いていることが示された. マルチキャピラリーファイバーについては,3次元シミュレーションコードを作って,キャピラリーの径による透過中性子の波長依存性を調べた.その結果,径が大きいほうが長波長の中性子をより多く透過できることが分かった.また,ファイバーを曲げた場合の曲率によっても特性が変わることが示された.また,キャピラリーの小さな歪みが,中性子透過特性に大きく影響することも分かった.このことを実験で調べたが,実験でのキャピラリーのセッティング等の問題のため,計算で示されたような,径に対する一般的な依存性は観測されなかった.
|