配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1999年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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研究概要 |
廃棄物焼却施設によるダイオキシン類汚染が顕著であった大阪府能勢地域と埼玉県西部地域において採取した土壌粒子の分析結果には,採取地点や試料によってダイオキシン類含有濃度や同族体プロファイルに大きな差異が認められ,ダイオキシン類を高濃度に含む粒子の存在が示唆された。また,高濃度のダイオキシン類含有粒子の存在は,これらが化学的にも物理的にも極めて安定に土壌中で存在しているものと理解された。 CMB法によって推定した廃棄物焼却粒子濃度及び土壌粒子濃度と観測されたダイオキシン類濃度との関係を解析して,再飛散によるダイオキシン類の大気中濃度負荷を計算した結果,土壌粒子に伴うダイオキシン類の大気中濃度負荷は0.1pg/m^3程度と推定された。また,廃棄物焼却粒子による寄与濃度は,近傍に廃棄物焼却施設が立地していない能勢地域では3pg/m^3程度,多くの施設が立地する埼玉県西部地域では30pg/m^3程度であり,再飛散に伴うダイオキシン類濃度はこれらの数10の1以下と見積もられた。 低圧インパクターで分級捕集した堺市の大気エアロゾル粒子試料から,ダイオキシン類などの化学成分の詳細な粒径分布を導出した結果,ダイオキシン類のほぼ90%が微小粒子に存在していた。粗大粒子中のダイオキシン類は観測地点付近の土壌性粒子が再飛散したものと考えられるが,廃棄物焼却施設などからの発生源粒子に因ると推察される微小粒子中の含有濃度は0.4μg/g程度であり,粒径が小さくなるにつれて徐々にこの値が大きくなる傾向が見られた。 観測された粒径分布と計算された呼吸器官への粒子沈着率から,ダイオキシン類の成人男子呼吸器官への沈着量は,10μm以下の粒子に対して,鼻・口・咽頭及び喉頭部,気管支,肺の各領域にそれぞれに0.034,0.006,及び0.026ng/dayと推計された。
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