研究分担者 |
吉田 絋二 京都大学, 工学研究科, 助手 (70263118)
山本 浩平 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (10263154)
東野 達 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80135607)
吉田 紘二 京都大学, 工学研究科, 助手
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研究概要 |
1.大気エアロゾル粒子の性状特性:大気エアロゾルを黄砂時、冬季高濃度時など異なる環境条件下で捕集し、粒径,化学組成,濃度を中心にその性状特性を調べた。エアロゾル粒子の質量粒度分布は,常に1〜2μm付近を谷とした二山型分布を示した。化学組成別の粒度分布は3つのタイプに分かれる。すなわち,S, Pb, Znで代表される0.5〜0.8μm付近の微小粒子域にピークをもつ一山型分布,Si, Ca, Feで代表される5μm付近の粗大粒子域にピークを持つ一山型分布,及びMn, Ni, Cuなどに代表される二山型分布である。エアロゾル粒子の水への溶解性は化学成分により大きく異なり,一方,粗大粒子は微小粒子より不溶性成分比率が高かった。 2.粒子性状と放射特性:宇治市において粒子性状と放射特性の連続測定を行うとともに,1999年3月に名古屋,2000年4月に白浜,2001年3〜4月に京都府丹後半島,宇治,京都比叡山,韓国済州島において,粒子性状と放射特性のキャンペーン実験を行った。大気エアロゾル粒子の光学的特性は,エアロゾル粒子の粒径や化学組成に大きく依存し,地球温暖化/冷却化に及ぼす効果は大きく異なる。京都における放射強制力の長期平均値は-1.5W/m^2で,大気エアロゾルは冷却化効果を持つことを確認した。なお,黒鉛粒子による吸収効果が大きいエアロゾル粒子の場合には,放射強制力はプラスとなり温暖化効果を示した。 3.黄砂粒子の輸送・拡散・沈着と放射特性評価モデルの開発:黄砂粒子の発生と東アジア地域での輸送・沈着をシミュレートする3次元オイラー型輸送モデルを開発し、黄砂粒子の放射特性に及ぼす影響を調べた。土壌起源エアロゾルの空間分布、時間的変動は比較的良い精度で予測し、日本での黄砂現象を再現することができた。またMODTRANモデルによる放射強度の計算値は,実測値をよく説明できた。
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