研究課題/領域番号 |
11480151
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
羽野 忠 大分大学, 工学部, 教授 (80038067)
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研究分担者 |
高梨 啓和 大分大学, 工学部, 助手 (40274740)
平田 誠 大分大学, 工学部, 助教授 (20264327)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 発展途上国 / 簡易化 / 脱窒 / 独立栄養細菌 / 硫黄酸化細菌 / Thiobacillus denitrificans |
研究概要 |
発展途上国における表流水の硝酸態窒素汚染の防止を目的として、硫黄酸化細菌(Thiobacillus denitrificans)を用いた簡易な脱窒処理システムの開発を行った。すなわち、硫黄粒子と石灰石粒子とを等体積混合したカラムを用いて、脱窒速度に対する硝酸態窒素濃度、リン濃度、アルカリ度の影響の検討、脱窒阻害物質の検索を行った。 その結果、硝酸態窒素濃度1000g/m^3までは阻害を受けることなく脱窒が進行し、多くの排水は希釈することなく脱窒処理可能なことが明らかになった。また、ホウ酸緩衝液を用いてpH一定条件下でリン濃度の影響を検討した結果、リン濃度は一般的な家庭雑排水中のリン濃度よりも低い1g-P/m^3以下でよいことが明らかになった。しかし、ホウ酸緩衝液を用いない場合には、リン濃度は1g-P/m^3では明らかに不足していた。これは、生物学的脱窒反応に伴ってプロトンが放出され、反応場と考えられる硫黄粒子表面と生物膜との接触界面近傍のpHが低下するためと考えられる。このため、アルカリ度の影響について検討した。その結果、カラムへの窒素負荷量が420g-N/(m3・d)の時、アルカリ度は600g-CaCO_3/m^3以上必要であった。また、フッ素およびニッケルの脱窒阻害を検討したところ、フッ素濃度90g/m^3、ニッケル濃度3g/m^3で脱窒阻害は確認されなかった。 以上のように、本システムは高濃度の硝酸態窒素を含む排水でも希釈することなく処理を行うことができ、リンの要求性も低いことから、予想される硝酸態窒素負荷量に対して十分量の石灰石を充填してアルカリ度を供給することにより、特殊な機器、装置、技術者を必要とせずに簡易に脱窒処理を行えると考えられ、発展途上国における水環境保全に貢献すると考えられる。
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