研究分担者 |
国包 章一 国立公衆衛生院, 水道工学部, 部長 (90083740)
大村 達夫 東北大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30111248)
大垣 眞一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20005549)
木村 憲司 前澤工業(株), エンジニアリング事業部, 部長
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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研究概要 |
サイクロスポーラはクリプトスポリジウムと同様な振興寄生虫病で,水や食物を通して経口感染し,水道水を介して発生する危険性も指摘されている.本研究はその予防のためサイクロスポーラに関する基礎知見を得ることを目的とした.実験・調査は,既存の研究や文献検索、また感染率の高いネパール等での現地情報収集を行いながら、いくつかの観点でなされた.なお、すべての実験の遂行上,実験手法の検討・開発から入る必要があった. 具体的結果として,サイクロスポーラ・オーシストの濃縮・精製,検出の方法を確立し得た.また,切望されていた供試ヒト由来のサイクロスポーラが遺伝子解析によりCyclospora cayetanensisであると同定できた.この特定は,今後の投稿などの際有用になると考えられる。また,環境水および下水中における存在の有無を調査し、季節毎の調査の必要性を指摘した.さらに,紫外線照射による消毒効果について検討し,サイクロスポーラはクリプトスポリジウムより弱く、クリプトスポリジウムに対する消毒を行えば、サイクロスポーラも殺滅できる可能性を示し得た。なお、生理・生態を知るためのヒトのがん細胞への感染と増殖実験はプロトコールを作成できたものの増殖状況の確認までは至らなかった. 一方,サイクロスポーラの研究は世界的にも緒についたばかりであるが、今後の検討における幾多の課題を見出せた.
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