研究課題/領域番号 |
11480163
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 高史 九州大学, 工学研究院, 助教授 (20222226)
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研究分担者 |
水谷 義 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40229696)
嶌越 恒 九州大学, 工学研究院, 助手 (00284539)
久枝 良雄 九州大学, 工学研究院, 教授 (70150498)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1999年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | ヘムタンパク質 / ミオグロビン / ヘム / 金属ポルフィリン / 再構成 / タンパク質複合体 / 酸素錯体 / 酸化反応 / ポルフィリン / 分子認識 / 電子移動反応 / 再構成タンパク質 |
研究概要 |
これまで、ヘムタンパク質の機能評価や機能改変等の研究は、殆ど遺伝子工学的手法を用いてある特定のアミノ酸の変換を行った変異体を用いるものであった。しかしながら、その手法では、かなりの制約を受けること、また劇的な機能改変はなかなか期待できない欠点もある。本課題研究では、この問題を克服するため、ヘムタンパク質のひとつであるミオグロビンのヘム分子を除去して、合成した非天然ヘムを挿入することにより新しい機能を誘導することを行った。以下にその成果を示す。 1.ミオグロビン表面に、人工的なインターフェースを構築し、ミオグロビンとチトクロムcなどのユニークなタンパク質複合体を構築した。 2.人工的なインターフェースを介したタンパク質間電子移動反応を追跡し、生体内電子移動反応の優れたモデルを提案した。 3.ミオグロビン表面に基質認識部位を構築し、ペルオキシダーゼ、ペルオキシゲナーゼ活性示す酸化触媒としての機能発現に成功した。 4.ヘムプロピオン酸側鎖を欠損したヘムを合成し、アポミオグロビンに挿入することにより、プロピオン酸側鎖の酸素錯体形成への役割を示した。 5.ヘム分子を非天然の構造異性体であるポルフィセン鉄錯体に置換することにより、劇的に酸素親和性が向上した。 以上、非天然ヘムをデザインして、アポミオグロビンに挿入することにより、既存の方法で得られないタンパク質の機能化に成功した。このように、有機化学的にヘム分子を修飾・構造変換する手法は、今後のタンパク質工学への新たなアプローチとして提案できると考えている。
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