配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2001年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2000年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1999年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
本研究は、細胞内におけるタンパク質の局在化および膜トポロジー構築原理を総合的に解明することを目的として発案され、研究期間内に以下のことを明らかにした。(1)一回膜貫通型膜タンパク質について、ミトコンドリア外膜への局在シグナルの確定を行なった(Horie et al.,MBC,2002;Kanaji et al.,JCB,2000)。(2)アミノ末端を細胞外に提示する一回膜貫通型シグナルアンカー配列の、小胞体膜上でのトポロジー形成過程を詳細に解析し、素過程を明らかにした。また、この過程進行に必要な構造をアミノ酸残基レベルで明らかにした(Kida et al.,FEBS Lett,2001;Kida et al.,JCB,2000)。(3)Na/H交換輸送体(NHE6)がシグナルペプチドを有すること、ならびにそれに続くトポロジー形成配列を明らかにし、NHE6分子が小胞体由来オルガネラ膜に局在することを決定的に示した(Miyazaki et al.,JBC,2001)。(4)Kイオンチャネル(KAT1)の構造形成過程を探求し、6本の膜貫通セグメント(S1〜S6)の組み込み様式を解明した。S1とS2が順次組み込まれること、正電荷を有する親水的膜貫通セグメントS4はその前のS3と同時に相互に依存しながら膜内に組み込まれること、イオンチャネルファミリーに保存されている"Pループ構造"を含むS5-S6領域は、S1-S4の領域とは独立に組み込まれうることを示した(Sato, Y. et al.,PNAS,2002)。(5)Kイオン輸送体(AtHKT1)について、"膜貫通-P ループ-膜貫通"の基本構造が4回繰り返した、新しいトポロジーモデルを証明した(Kato et al.,PNAS,2001)。(6)近接した膜貫通セグメントが相互に影響し合ってトポロジーが規定されるという、新しいモードを明らかにした(Ukaji et al.,BBRC,2002;Ota et al.,JBC,2000)。(7)アルツハイマー病連関プレセニリン1の新規トポロジーモデルを提唱した(Nakai et al.,1999,JBC)。
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