研究課題/領域番号 |
11480182
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
大野 茂男 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10142027)
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研究分担者 |
秋本 和憲 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70285104)
鈴木 厚 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00264606)
平井 秀一 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (80228759)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2000年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1999年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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キーワード | aPKC / ASIP / PAR-3 / PAR-6 / 線虫 / 非対称分裂 / 極性 / 上皮 |
研究概要 |
線虫の初期胚における非対称分裂に先立つ細胞の極性化に必須のタンパク質、PAR-3はaPKCと複合体を形成し、共同して線虫初期胚の非対称分裂に先立つ細胞の極性化を制御している。ほ乳類でも、aPKCはASIP/PAR-3と複合体を形成し、上皮の極性化の要と考えられているtight junctionに局在する。この一連の発見は、「aPKC及びASIP/PAR-3を含むシグナル伝達複合体」が線虫の初期発生から、ほ乳類上皮の極性化にまで保存された極めて普遍的なシグナル制御因子であることを示唆している。本年度も昨年度につづき、この「aPKCとASIP/PAR-3を含むシグナル伝達複合体」に特に注目し、その構成員と分子組成、分子間相互作用、細胞接着シグナルによるリン酸化等を含む制御機構を解析した。キナーゼ活性を欠くaPKC変異体をアデノウイルスベクターを用いて培養上皮細胞に導入すると、細胞接着によって誘導されるtight junction形成や、膜タンパク質の局在化を顕著に抑制することを見いだした。極めて興味深い事に、極性化した細胞に効果はなく、細胞接着を一端解除し、細胞極性を失わせ、そこから再び細胞接着を形成させて極性化知る過程で、効果がみられる。このことから、aPKCの作用点は、極性の維持ではなく、極性の形成過程にあることが明らかとなったことになる。同様の事は、ASIPの点変異体、PAR-6の変異体でも観察された。さらに、この3者の複合体が、細胞接着にともなって細胞接着部位にターゲティングされ、極性化の進行に応じてアピカル側に移動することが明らかとなった。この事実も、aPKC-PARの3者複合体が、上皮の極性化の形成過程で機能していることを示している。
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