研究課題/領域番号 |
11480185
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片山 栄作 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50111505)
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研究分担者 |
真行寺 千佳子 東京大学, 理学系研究科, 助教授 (80125997)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2000年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
1999年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | 急速凍結電子顕微鏡法 / 3次元像再構成 / ダイニン / 微小管 / アクトミオシン / プロセッシブな運動 / コンフォメーション変化 / ホットスポット / ディープエッチ・レプリカ法 / コンピュータ・シミュレーション / 酢酸ウラニル固定 / フリーズ・ディープエッチレプリカ法 / 1分子生理学 / 構造生物学 |
研究概要 |
本研究は、高い時間・空間分解能を持つ急速凍結フリーズレプリカ電子顕微鏡法により、細胞質ダイニン・微小管複合体の3次元構造と、滑り運動中の構造変化の解析を目指したが、新鮮な材料の入手が困難であり、ウニ精子鞭毛の軸糸ダイニン亜種の構造・機能連関の解析に切り替えた。また、1分子生理学の趣旨に則って新たに構築した「1分子の構造生物学」の手法を用い、機能中のアクトミオシンの構造解析の結果から、微小管・ダイニン系でしばしば問題となるプロセッシブな運動の分子機構に関して検討した。 非通常型ミオシンの多くはアクチンのプロセッシブな運動を起こす。特にミオシンVは長いレバーアームを有し、アクチン上を36nmの歩幅で進むことから、首振り説の有力な証拠と見なされてきた。われわれは首を短くしたミオシンVや、野生型で首の短いミオシンIV(いずれもプロセッシブな運動を示す)を用いて調べたところ、その歩幅は首の長さと無関係でやはり36nmであった。これらのミオシンに加え、活性中間体が安定化される粘菌ミオシンの変異種G680V-S1を用いて、ATP存在下でのアクチンへの結合様式を観察すると、いずれもアクチンフィラメントの片側のみに36nmの周期で結合することが分かった。これらの結果はレバーアーム首振り説では説明不能であり、活性型ミオシンの結合によりアクチン側に特殊な結合部位(ホットスポット)が誘導される可能性を示す。 滑り運動中のアクチンを支えるクロスブリッジは、アクチンへの結合様式から3種類の構造に大別できる。それらは、上位50kD部位で結合するもの、下位50kD部位で結合するもの、そしてその両方で結合するものである。もし、その構造の違いが構造変化の過程を表わすとすれば、ミオシン頭部は2個の結合部位で交互にアクチンに結合し、その上を揺れながら滑ると推定される。 軸糸のB-band成分はダイニンの亜種であった。
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