研究概要 |
1)イネ[Orgza sativa(L.indica,Var.IR36)]のcDNAライブラリーからThymidylate synthase遺伝子のクローンの単離に成功した[Kanjo & Inokuchi,Plant Physiol.(Gene Register),120,634(1999)]。 2)ダイズ[Glycine max(var.Resnik)]のcDNAライブラリーから、プロトポルフィリノゲンIXオキシダーゼ(PPOX)をコードするcDNAのクローンの単離に成功した。そのcDNAは1745塩基対からなり、プロトポルフィリノゲンIXオキシダーゼ(EC1.3.3.4)は502アミノ酸からなる。タバコのミトコンドリアのこの酵素とは67%、タバコのプラスチド25%、ヒト16%、大腸菌7%の相同性をもっていた。この酵素のN末端領域にはミトコンドリアへの移行シグナル配列がみられた[Kanjo et al.,Plant Physiol.(Gene Register),121,1384(1999)]。 3)大腸菌のhemG欠失ミュータントより復帰ミュータントを分離し調べた。その変異はhemF遺伝子のプロモーター領域に見出された。大腸菌のHemF酵素は僅かながらプロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ活性も有する。この復帰ミュータントはプロモーターの変異により酵素量が増すことによりhemGミュータントをovercomeできるようになったと推察した[Narita et al.,Mol.Gen.Genet.,261,1012-1020(1999)]。 4)キューリ[Cucumis sativus L.cv.Aonagajibai]のフェロキレテースについて研究した。大腸菌で過剰発現させる系を作り、酵素を大量に精製し性質を調べた。またキューリの各種組織におけるこの酵素の局在性を調べた[Suzuki et al.,Plant Cell Physiol.,41,192-199(2000)]。 5)ホウレンソウ[Spinacia oleracea L.cv Tonic]葉緑体のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPOX)について、分子的性質ならびに組織における局在性を調べた[Che et al.,Plant Physiol.,124,59-70(2000)]。
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