研究課題/領域番号 |
11480211
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 名古屋大学 (2000) 奈良先端科学技術大学院大学 (1999) |
研究代表者 |
貝淵 弘三 名古屋大学, 医学部, 教授 (00169377)
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研究分担者 |
天野 睦紀 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (90304170)
稲垣 直之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (20223216)
門田 裕志 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (10294282)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2000年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1999年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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キーワード | 低分子量GTPase / Rho-キナーゼ / IQGAP1 / カドヘリン / 細胞運動 / 細胞接着 / リン酸化 / CRMP-2 / Rho-kinase / IQGAP / 細胞質分裂 |
研究概要 |
低分子量G蛋白質のRhoファミリー(Rho、Rac、Cdc42)は細胞骨格や細胞接着を制御しているが、その作用機構は不明であった。私共は既に、Rhoの標的蛋白質としてRho-キナーゼとMBSを、RacとCdc42の標的蛋白質としてIQGAP1を同定している。本研究では、細胞骨格及び細胞接着制御機構を明らかにすることを目的とし、Rhoファミリー低分子量GTPase及びその標的蛋白質の機能解析を行った。 私共は既に、Rho-キナーゼの基質としてMBSやMLC、ERMなどを報告しているが、本研究では、新たにRho-キナーゼの基質としてCRMP-2、adducin、MAP2、tau、calponin、EF-1αを同定した。そしてこれら基質蛋白質のRho-kinaseによるリン酸化部位の同定を行い、そのリン酸化を認識する抗体を作成し、さらに基質蛋白質の変異体を細胞内に導入することによりそのリン酸化の生理的意義を解析した。以上の解析から、Rho-キナーゼによるCRMP-2のリン酸化がLPAによる神経細胞の成長円錐の退縮に重要な役割を果たしていることを明らかにした。また、Rho-キナーゼによるadducinのリン酸化が細胞膜ラッフリングや細胞運動に重要な役割を果たしていることを明らかにした。 一方、私共は既に、IQGAP1がβ-カテニンと直接結合し、カドヘリン・カテニン複合体からα-カテニンを解離させることにより細胞間接着を負に制御することを明らかにしている。また、活性型RacとCdc42がIQGAP1の機能を阻害し、細胞間接着を正に制御することも明らかにしている。本研究では、このRac/Cdc42/IQGAP1による細胞間接着の制御システムがhepatocyte growth factor(HGF)により誘導されるcell scattering(細胞分散)時の細胞間接着の破壊に関与しているか否か検討した。その結果、Cdc42、Rac及びIQGAP1はα-カテニンの動態制御を介して、cell scattering時の細胞間接着の破壊に関与していることが明らかとなった。また、RacとCdc42の活性化動態を特異的にモニターするassay系の開発に成功し、細胞間接着の再構築時におけるRacとCdc42の活性動態を明らかにした。以上、本研究の研究目標はほぼ達成できたと考えられる。
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