研究課題/領域番号 |
11480226
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内山 安男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10049091)
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研究分担者 |
井佐原 京子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30303944)
大沢 良之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30273642)
和栗 聡 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30244908)
亀高 諭 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10303950)
渡部 剛 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (80220903)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
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キーワード | PCTF35 / 脳障害 / アストログリア / グリオーシス / TGFβ1 / 初代培養 / 発現誘導 / 分泌 / TGFB1 / 栄養因子 / 低酸素虚血障害 / 海馬CA1領域 / 錐体神経細胞 / ラット新生仔 / 神経栄養因子 / PC12細胞 / bcl-2 / 脊髄後根神経節 / 神経細胞死 / 神経突起 / NGF |
研究概要 |
本年度はPCTF35のin vivoでの役割を解析するため神経障害モデルと初代培養アストログリアを用いて下記の実験を行った。 1)新生ラットの一過性脳低酸素虚血負荷(hypoxia-ischemia injury, H-I負荷)実験。生後7日(P7)目のラットを麻酔下で片側総頸動脈を結紮し、覚醒するまで1時間親ラットのケージに戻す。その後、低酸素条件(8%酸素-92%窒素)に維持し、37℃に保温した容器に90分間置きH-1負荷をかけ、3、4、5、7日後に灌流固定後、海馬領域の凍結あるいはパラフィン切片を作製。あるいは同領域を採取後、PCTF35mRNAの発現をRT-PCRで検討した。 2)脳障害実験。8週齢のラットを麻酔下で、頭蓋の一部解放し、側頭葉にメスで深さ2mm、幅4mm切開を加え、縫合後元に戻し、3、4、5、7日後に灌流固定し、障害領域の凍結あるいはパラフィン切片を作製。あるいは同領域を採取後、PCTF35mRNAの発現をRT-PCRで検討した。両実験で得られた標本でPCTF35の局在を免疫組織化学的に検討した結果、対象とした反対側野の脳組織では陽性染色は得られなかったが、障害領域では負荷後3日から7日にかけ陽性反応が認められた。その局在を2重染色で検討した結果GEAP陽性のアストログリアの突起に局在することが分かった。反応性はアストログリアによるグリオーシスが進行すると共に上昇した。また、障害領域の神経細胞にはTGFβ1の免疫反応も陽性を呈した。RT-PCRで検討したところ、負荷後の経過が進むと共に障害側でmRNAの発現量も上昇することが分かった。 3)アストログリオーシスの進行と共に、PCTF35の発現が上昇することが明らかになったため、P2のラット脳組織よりアストログリアを分離してPCTF35の発現を検討した。その結果、培養上清中に同タンパク質が存在すること、また、TGFβ1を培地に添加するとその量も増加することが分かった。以上の結果より、PCTF35は脳損傷後のアストログリアに発現誘導がかかり、合成、分泌が進行すること、さらに、その発現はTGFβ1に依存することが明かとなった。
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