研究課題/領域番号 |
11490027
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
丸山 定巳 熊本大学, 文学部, 教授 (00039968)
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研究分担者 |
二塚 信 (ニ塚 信) 熊本大学, 医学部, 教授 (80040195)
原田 正純 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (00040519)
富樫 貞夫 志學館大学, 法学部, 教授 (70039957)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1999年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 水俣病 / 地域再生 / 公害防止 / 環境破壊 / 環境復元 / 胎児性患者 / ADL / QOL / 胎児生患者 |
研究概要 |
*1995年の「政治的解決」によって、長年にわたる水俣病未認定患者問題は大状況としてしては収束した。しかし、その解決内容・対象者いずれにおいても曖昧であったために、被害患者救済問題は依然として潜在的に存続している。一方、地域の再生面では、「水俣病教訓の発信」や「ゴミ23分別収集」などユニークな活動が生まれてきているが、そのキーワードとされる「もやい直し」の受容の仕方は多義的で、連帯性の回復は容易ではない。 *水俣湾に堆積した水銀の除去を目的とする水銀ヘドロ処理事業は、これまでに前例のない大規模な環境復元プロジェクトとして国際的にも注目された。一般に環境を復元したかどうかは、どのような生態系と漁業環境を復元するかという目標を設定し、その達成度に応じて評価すべきである。しかし、この事業は、住民の不安除去のために25ppm以上の水銀ヘドロを湾奥部の埋立地に移しただけで、そこに封じ込められた膨大な水銀の処理も今後の課題となっている。 *2000年には新たに2人の重症の胎児性水俣病患者が発見され認定された。政治決着後も最低278人は申請している。そのうち176人は初申請であった。したがって、まだ未申請の者が多数居ることを示し、今後もさらに申請は増えると思われる。とりわけ、30歳台から40歳台の若年汚染者の問題が深刻である。しかし、その世代の影響に関する研究は進んでいない。また、その対策もない、緊急に若年者の救済対策を確立する必要がある。 *メチル水銀汚染地域住民の精神不安度は高く、それを形成している最も主要な因子は「抑うつ」と「社会的無能力・不適応」であった。これらの精神不安は、身体症状が悪いほど高くなる傾向があり、また水俣病問題に対して積極的に関与していった経験があるものほど不安は低下する傾向があった。これは、水俣病問題に対して積極的に行動することにより同じ目的をもち、そして同じ苦しみをもった仲間が形成されたことによると考えられた。
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