研究課題/領域番号 |
11551001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
哲学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
清水 哲郎 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70117711)
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研究分担者 |
石垣 靖子 医療法人東札幌病院, 付属緩和医療研究所, 研究員(同病院副院長)
石川 邦嗣 医療法人, 東札幌病院・付属緩和医療研究所, 所長代理
瀬戸山 修 医療法人東札幌病院, 付属緩和医療研究所, 所長
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 臨床倫理 / QOL / インフォームド・コンセント / 治療中止 / 決定のプロセス / ナラティブ / 共同行為 / 倫理原則 / 価値選択 / 臨床論理 / 緩和医療 / 告知 / 医療哲学 / 自己決定 |
研究概要 |
1.当初の研究課題を、医療現場で起こる諸問題を検討する仕方の標準化という課題として具体化して、<臨床倫理学>という名のもとで、多くの医療者の協力を得て研究を進めた。その結果「価値選択」と「共同行為」という二つの観点が有効であることが確認され、これに沿った検討の流れを一定のフォーマットとして試作し、これの有効性を確認し、改訂を重ね、実用に耐え得るものとした。 2.現場で倫理的検討を進めるためには、まず参照すべき<倫理原則>を確定する必要がある。本研究は、現在有力なものとして流通している4原則を批判しつつ、(1)一般的な価値観と個別の価値観の双方に目を配ること、および(2)患者・家族を共同で医療を進める相手とすることと人間の弱さを受容することを対にした人間理解を盛り込んだ原則を提案した。 3.検討フォーマットとしては、まず「現在の状況に直面して、医療者としてどのような方針を立てるべきか」を検討する<検討シートA>を開発した。これは医学的な一般的判断から、個別の事情に合わせて治療方針の個別化を図る流れと、医療側と患者側との間での双方向的な情報の共有化に基づく両者の合意を目指す流れとから成っている。 4.次に、「これまでどうであったか」を振り返る臨床倫理的検討について、自由記述を土台として共同で検討を加えつつ、記述を改訂していくという「関係者の間で共同の<物語り=ナラティブ>を定めるプロセス」を適切に実現する方式を提案するにいたった。 患者・家族が自らの選択をするための道標となる「検討シートP」についても、市民の協力を得て、検討シートAを患者側の視点に合わせて改訂することとした。 5.このようにして、医療現場で実用に供し得る臨床倫理検討システムを提示したが、これは現在多くの現場に受け入れられつつあり、医療の質の向上に寄与することが期待できる。
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