研究分担者 |
櫻井 幸一 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (60264066)
杉田 洋 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (50192125)
大濱 靖匡 (大濱 瑞匡) 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (20243892)
實松 豊 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (60336063)
藤崎 礼志 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (80304757)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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研究概要 |
音声や画像,文書等の情報信号,遺伝情報等を典型例とするように,自然科学の諸分野で観測される情報系列の生成過程はしばしばマルコフ連鎖やマルコフ過程でモデル化される.本研究の主題は,観測される有限アルファベット系列がマルコフ連鎖から生成されるという前提で観測系列だけからマルコフ性の度合い(i.i.d. (independent and identically distributed;独立同分布)系列の成否および相関の度合い)を定量化する方法を確立することである.本研究代表者は先に,マルコフ連鎖を規定するN状態マルコフ遷移行列の1以外のN-1個の固有値λを決定するための有限アルファベット系列の効果的観測方法を明らかにした.すなわち,あるパタンのヒストグラムの期待値および分散の関数を係数とするN-1次の代数方程式の根がマルコフ連鎖を規定するマルコフ遷移行列の1以外の固有値λと一致するための,観測すべき特定パタン系列を明らかにした.本年度の研究成果の主要結果は次の2点である。 1.最も簡単なマルコフ遷移行列である2状態(N=2)マルコフ連鎖の場合,マルコフ連鎖から生成される2値系列の遅れ時間lの自己相関関数や相互相関関数のヒストグラムは中心極限定理からガウス分布になることから,その期待値および分散を陽な形で明らかにした. 2.特に,上記の分散の理論評価の結果,マルコフの場合(λ≠0)はi.i.d.の場合(λ=0)に比べ減少することが明らかになった.この結果は,モンテカルロ法である,確率論的シミュレーションとして専ら用いられているi.i.d.系列のマルコフ系列への一般化およびマルコフ系列を適用した場合の理論評価が可能であることを意味しているので,カオス系列を用いたモンテカルロ法のアルゴリズムおよび性能評価等の研究調査しなければならないことを示唆している。
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