研究分担者 |
堀内 純 (株)静環検査センター, 生態研究部門, 研究員
塚越 哲 静岡大学, 理学部, 助教授 (90212050)
鈴木 款 静岡大学, 理学部, 教授 (30252159)
石川 義朗 (財)環境科学技術研究所, 環境シミュレーション部, 研究員
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配分額 *注記 |
10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1999年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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研究概要 |
海生介形虫類を常に実験動物として供給できるよう,2つのシステムを立ち上げた。すなわち自然状態に近い環境をつくって複数種を同時に飼育するシステム(Mother Cultureシステム)と特定種をインキュペーター内で単離飼育するシステム(Mono Cutureシステム)である。 Mother Cultureシステムでは,岩礁地における環境を再現し,微空間における介形虫類のmicrohabitatについて観察することができた。その結果,これまで「岩礁地に生育する石灰藻を住処とする」と一括されてきた介形虫類の中には種ごとに細かく棲み分けていることが明らかになった。すなわち,葉上に棲むもの,仮根部分の堆積物表面に生息するもの,さらに堆積物中に潜って生息するものの3パターンが認められた。但し,このシステムでは,個体数が減少する傾向が見られ,常に野外の生育地から個体を加入させる必要がある。これは,生育する海藻が減少していくことと関連がありそうである。本システムで個体数の経時的減少を防ぐには,海藻が常に繁茂できるよう,紫外線や循環する海水量を豊富にする必要があると思われる。 Mono Cultureシステムでは,Xestoleberls hanaiiの背甲として実験が進められた決果,Sr/Caはほとんど水温に依存しないのに対し,Mg/Caは水温に依存的で,特に個体発生の段階を経て観察した結果,Mgは,背甲の有機物中に含まれ,背甲生成の重要な元素であることが確かめられた。このシステムでは,飼育している水を取り替える際,水だけでなく容器ごと交換することによって,バクテリアの繁殖が抑えられること,また餌は少量のデトリタスで,ほとんどの介形虫を維持できることがわかった。
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