研究課題/領域番号 |
11554025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
植村 元一 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (90047241)
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研究分担者 |
鴻池 敏郎 塩野義製薬株式会社, 研究所所長
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | バンコマイシン / アトロプ異性 / 面不斉 / クロスカップリング / 軸不斉ビアリール / アレーンクロム錯体 / コルペンスアミン / アルカロイド / コンペンスアミン |
研究概要 |
軸不斉を有する天然有機化合物は数多く存在する。中でも、院内感染の最後の切り札として用いられてるバンコマイシンや、抗HIV-活性を示すミシェルアミンBなどが注目されている。ミシェルアミンBはアトロプ異性であるコルペンスアミンAとBが二量化した化合物である。単一の面斉源として面不斉を有する3,5-ジイソプロポキシ-2-ブロモベンズアルデヒドクロム錯体と、ナフチルホウ酸との立体選択的クロスカップリングでアトロプ異性ビアリールの一方の軸異性体を合成した。更に、熱反応で軸を異性化することも成功した。これら両軸異性体より、さらに側鎖を延長したのち環化して目的のコルペンスアミンAとBを立体選択的に全合成を達成した。一方、院内感染治療の最後の切り札として注目されているバンコマイシンのAB環部の合成においては、置換基の大きさによる選択性の違いに着目し、クロム錯体のどちらの面不斉から出発しても、天然のバンコマイシンの軸不斉を有するA-B環ビアリール骨格を世界ではじめて立体選択的に合成することに成功した。また、軸不斉を有する天然物合成研究の過程で、ベンジル位に水酸基を有するSyn体のビアリールクロム錯体を加熱還流を行った際に、クロムトリカルボニルが分子間で反対の芳香環面に完全に再配位して、面不斉の立体化学が完全に反転したAntiが体が得られる興味深い現象も発見することができ、現在、その反応機構の解明を目指して検討を行っている。
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