研究課題/領域番号 |
11554030
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
物質変換
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
稲田 康宏 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (60242814)
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研究分担者 |
舟橋 重信 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30022700)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2001年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 変速フロー法 / 溶液内高速熱化学反応 / 流速変化 / 迅速混合技術 / 錯形成反応 / Cu(II)イオン / Zn(II)イオン / SAT錯体 / 高速サンプリング機構 / 置換活性 / PAF装置 / 高速サンプリング / 電子移動反応 / フロー法 / 変速フロー装置 / パルスYAGレーザー |
研究概要 |
本研究では、溶液内で進行する熱化学反応の中で速度定数が10^6s^<-1>(半減期約0.5μs)までの高速反応の反応速度測定が可能な変速フロー装置を開発し、混合試料溶液の流速を制御しながら透過光強度を検出する独自の高速熱化学反応測定システムを構築した。 平成11年度に購入した変速フロー装置に、大出力モーターを連結したピストンシリンジの導入と10ジェットでの混合方式への改良を施し、モーターのエンコーダー出力と透過光強度検出器からの信号出力を二系統で入力するデータ処理部を開発した。こうして構築した高速熱化学反応測定システムを用いて、平成12〜13年度に、アセトニトリル溶液内で進行するCu(II)またはZn(II)イオンの高速錯形成反応の反応速度測定を系統的に遂行した。これらの金属(II)イオンは極めて置換活性であり、その化学的重要性にも関わらず、錯形成反応の反応速度を直接測定することが困難であったが、本研究で開発した高速熱化学反応測定システムを用いることにより、反応機構を確定するための速度論的データを得ることができるようになった。Cu(II)イオンについては、種々のポルフィリンとの錯形成反応速度の測定から、ポルフィリンへの金属イオン挿入反応過程に反応中間体として存在するSAT錯体の生成メカニズムに関する知見を得た。Jahn-Teller効果によって歪んだ八面体型構造をとるCu(II)イオンについての錯形成反応機構の解明は、その置換活性な性質を分子論的に解明する上で極めて重要な情報である。また、同じく置換活性なZn(II)イオンへの種々の芳香族アミン配位子の錯形成反応速度の測定にも成功し、特に、多座配位子の反応において従来知られていなかった新たな反応経路を検出することに成功した。
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