研究課題/領域番号 |
11555014
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野田 進 京都大学, 工学研究科, 教授 (10208358)
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研究分担者 |
飯塚 紀夫 (株)東芝, 研究開発センター, 研究員
浅野 卓 京都大学, 工学研究科, 助手 (30332729)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2001年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2000年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1999年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | GaN / AlGaN量子井戸 / サブバンド間遷移 / 光制御光変調 / 超高速緩和 / キャリアダイナミクス / サブバンド間緩和時間 / 歪み緩和 / フェムト秒 |
研究概要 |
(1)本研究の目標は、GaN/AlGaN量子井戸におけるサブバンド間遷移を用いてテラビット/s級の光-光変調を実現することである。その開発のポイントは、(1)研究代表者がこれまで提案とし、研究を進めてきた量子井戸のサブバンド間遷移を用いた独自の光-光変調方式をベースとすること、さらに(2)量子井戸材料として、伝導体サブバンド間遷移波長が極めて短くできるとともに、その電子のエネルギー緩和時間が通常のIII-V族半導体よりも10倍程度速く、100フェムト秒台(すなわちテラビット/s級)の変調速度が期待できるGaN/AlGaN量子井戸を用いることにある。 (2)まずサブバンド間遷移特性の測定が可能になる程度の層数まで、量子井戸を多層化しうる成長条件を検討した。その結果、GaN中間バッファ層の導入により、歪みによるクラックの導入を避けることが可能であり、200層程度までの良好な多重量子井戸が作製できることがわかった。これにより、波長約4.5μmに吸収ピークを持ち、表面入射で30-40%程度サブバンド間吸収を持つ試料の作製に成功した。 (3)十分な吸収量を持つ多重量子井戸が実現されたことを受けて、実際にサブバンド間励起電子の緩和時間を単色ポンプ・プローブ法によって測定し、励起電子の緩和時間が100-200フェムト秒程度と非常に短いという結果を得た。これはGaN/AlGaN量子井戸におけるサブバンド間緩和を実験的に示したはじめての結果であり、本変調方式の動作速度が100フェムト秒台になり得ることを示し得た。 (4)サブバンド間遷移を用いた光-光変調実験のための中赤外ポンプ-白色光プローブ測定系を立ち上げ、まず比較のための従来のGaAs/AlGaAs量子井戸を用いた変調実験を行い、超高速変調の測定が可能であることを確かめた。またGaN/AlGaN量子井戸におけるキャリア緩和過程とGaAs/AlGaAs量子井戸におけるキャリア緩和過程の違いについて、詳しい検討を行った。 (5)またデバイスの実用化に向けてサブバンド間遷移波長の短波長化を試み、これまでのMOVPE法に変えてMBE法を用いることで1.55μmを下回る短波長化に成功した。これにより、制御光源とし、より小型のレーザを用いることが可能になりデバイスとしての実用性が格段に向上した。
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