研究課題/領域番号 |
11555016
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
春名 正光 大阪大学, 医学部, 教授 (20029333)
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研究分担者 |
近江 雅人 大阪大学, 医学部, 助手 (60273645)
精山 明敏 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70206605)
伊東 一良 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80113520)
紙仲 伸征 九州松下電器(株), デバイス部門担当, 取締役(研究職)
紙中 伸征 九州松下電器株式会社, デバイス部門担当, 取締役
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | 低コヒーレンス光干渉 / 生体膜 / 相転移検出 / リン脂質二重層 / ラット腸間膜 / in vivo機能計測 / 光コヒーレンストモグラフィ / 生体膜(腸間膜) / 屈折率測定 |
研究概要 |
本研究では、これまで蓄積してきた低コヒーレンス光干渉をベースとする生体計測技術をもとに、新たに生体膜のin vivo機能計測法を提案・確立した。また、生体膜の相転移に及ぼす環境因子の影響を詳細に検討し、リン脂質の膜構造と相転移の関連を明らかにした。 (1)まず、SLDを光源とする低コヒーレンス光干渉計を用いて、生体膜の屈折率と厚さをそれぞれ0.1%および0.1μmの精度で測定できる装置を試作した。本装置を用いて、厚さ〜20μmのラット腸間膜の相転移に伴う屈折率及び膜の透過率変化を鮮明に検出することが出来た。 (2)膜の主転移に加えて副転移を検出し、さらにpHによる腸間膜の相転移温度シフトを測定した。この結果が人工生体膜(DPPC)の実験結果と良く一致することを見い出した。これはラット腸間膜の主成分がリン脂質二重層であることを示唆している。 (3)DPPCにエタノールを添加したとき、エタノール濃度40mg/mlでは副転移が消滅することを見い出した。これはリン脂質が二重層から指組層に変化することによる。 (4)DPPCに界面活性剤(パルミチン酸)を添加したとき、濃度>25mg/mlでは正常な相転移は完全に消滅することを明らかにした。これはリン脂質が界面活性剤の影響下でミセル構造に変化するためである。 (5)一方、ラット腸間膜をエタノールや界面活性剤(SDS等)溶液に浸した場合には、正常な主・副転移が検出できる。これは膜に含まれる蛋白質やコラーゲンがリン脂質二重層の膜構造の変化を阻害することによる。 (6)in vivo計測に向けて、ハロゲンランプを光源とする白色干渉計を用いて、ラット腸間膜単体の光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を取得した。空間分解能は1.3μmである。 以上の試作研究を通じて、生体膜のin vivo機能計測のための新たな提案と技術展開を図り、プロトタイプの計測装置を試作した。引き続いて、生理学分野で活用できる実用装置の開発を行う予定である。
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