研究分担者 |
新澤 信彦 早稲田大学, 理工学部, 助手 (20350473)
西成 活裕 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (40272083)
松木平 淳太 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (60231594)
廣田 良吾 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00066599)
筧 三郎 早稲田大学, 理工学部, 助手 (60318798)
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配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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研究概要 |
超離散化は,exp型の非解析的極限を差分方程式に適用し,従属変数の離散化を行うという手法である.この手法と微分方程式の差分化手法を組み合わせると,微分方程式から差分方程式,そして超離散化方程式という一連の離散化が可能になる.本研究は,この離散化手法を具体的な方程式にあてはめ,どのような応用が可能かを探る研究である.その具体的な成果は以下の通りである. まず,バーガーズ方程式の線形化可能構造を壊さずに,差分化そして超離散化することにより,交通流のモデルの基礎となるルール番号184のセルオートマトンを得ることに成功した.そして,このセルオートマトンを拡張することにより現実の交通流の渋滞形成を再現するモデルを得ることに成功した. 次に超離散化手法が基盤としているマックス-プラス代数を応用することにより,反応拡散系などのパターン形成系のメカニズムを再現できるデジタル方程式を提案することに成功した.この方程式から,ターゲットやスパイラルなどのパターンがどのような数学的表現により実現されるかが明確になり,パターン形成理論に対して新しい知見をもたらすことができた. さらに,再帰系などの2階の非線形差分方程式の超離散化を行い,その解構造を調べた.これら系の解は一般に楕円関数で表現することができる.超離散化を行うと,解はmod関数に似たふるまいをすることが分かった.そこで,なぜそのような解の振る舞いが生じるのかを,力学系理論の観点から調べ,明示的な解構造を得ることに成功した.この成果は力学系理論に対して新しい寄与をなすと考えられる.
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