研究分担者 |
井小萩 利明 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90091652)
小濱 泰昭 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (60006202)
林 叡 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (10021982)
福西 祐 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60189967)
高木 敏行 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20197065)
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研究概要 |
本研究は,従来,数値実験と風洞実験を独立に行った場合には解析が困難であった複雑な流れ場に対する問題解決の手段を確立するため,数値実験と風洞実験を統合したハイブリッド風洞システムを開発するとともに,その有効性を検証することを目的として行われた。 最初に小型の風洞実験装置を製作し,これを東北大学流体科学研究所未来流体情報創造センターのスカラー型並列計算機システムと毎秒1ギガビットの転送速度を持つ高速ネットワークにより結合した。ハイブリッド風洞の有効性を検証するために,基本的な流れ場である一様流中に置かれた角柱後流に発生するカルマン渦列を含む流れ場を対象として検討を行った。圧力変換器により計測した角柱表面上の圧力信号をスーパーコンピュータに送り,リアルタイムで流れ場を計算した後,再びデータ処理用のワークステーションに転送し,実際の流れ場の任意の状態量をディスプレイ上に表示するシステムを構築した。実測データのフィードバックにより数値解析結果が実際の流れ場へ収束し得ることを,まず数値シミュレーションを行って確認し,さらに実機による検証をオフライン実験で行った。引き続き,これらの基礎的知見に基づきハイブリッド風洞システムの最適化を行った。すなわち角柱の二つの側壁の圧力をフィードバックすることにより,非定常な流れ場の構造をハイブリッド風洞を用いて解析することが可能となることを明らかにした。またリアルタイム処理の実現のため,数値計算コードの並列化による数値計算の高速化を行った。また,応用として生体内の血流の制御や,流れ場のフィードバック制御による輸送機器の抵抗低減の問題について検討を行い,ハイブリッド風洞による解析の可能性についての知見を得た。
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