研究課題/領域番号 |
11555059
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小森 悟 京都大学, 工学研究科, 教授 (60127082)
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研究分担者 |
神崎 隆男 電力中央研究所, 大気科学部, 主任研究員
黒瀬 良一 電力中央研究所, エネルギー化学部, 主任研究員
長田 孝二 京都大学, 工学研究科, 講師 (50274501)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1999年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | 温度成層 / 浮力対流 / 乱流混合 / 反応促進 |
研究概要 |
ポリマー重合に関連した機能性材料生産やバイオリアクターによる細胞培養等の最近のハイテク産業において、ポリマーや細胞を流体の持つ強いせん断力により壊すことなく無せん断に近いマイルドな状態で混合反応させる技術の開発が要求されている。現状では、無せん断でしかも高効率で混合反応促進を実現する技術は開発されておらず、攪拌翼を極めて低速で運転する方法や揺動攪拌等の代替技術が使用されているにすぎない。そこで、本研究では、一つのアイデアとして不安定な密度成層状態下で発生する浮力対流を利用して無せん断状態での乱流混合反応促進技術を開発することを目的とした。さらに、現実の工業プラント中で要求される反応物質の供給法、反応器の形状等の変化に伴う反応収率の変化を即座に予測するために、不安定成層を伴う反応器内での時間平均濃度と速度の分布を数値計算できるCFDコードの開発をめざした。上下二層の流れを作り出せる小型水槽内に、上下層流れの速度を同じにして上層流れの温度を低く、下層流れの温度を高く設定した不安定温度成層流、および、上下層流の温度を同じにして上層と下層の流れに速度差を与えたせん断流れを形成させ、その中で酸とアルカリの瞬間反応を起こさせた。この乱流場で、瞬間速度レーザドップラ流速計、反応物の瞬間濃度をレーザ蛍光法を用いて同時測定し、反応量を評価した。その結果、不安定成層が存在する場合には、浮力対流によって化学反応が大幅に促進されることがわかった。また、浮力対流を伴う混合層乱流場に対して、ラージ・エディ・シミュレーション(LES)と呼ぶ数値計算手法を適用した結果、実験値との良好な一致が認められた。特に、LESにより、各種乱流等計量に及ぼす浮力効果を精度良く予測することに成功した。今後、浮力対流による混合反応促進技術が実際の反応装置に適用され、また、本研究で開発したLESにより浮力対流を伴う反応装置内での時間平均濃度・速度分布と反応収率の予測が可能となることが期待される。
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