研究課題/領域番号 |
11555060
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
本田 博司 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (00038580)
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研究分担者 |
山城 光 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (70239995)
高松 洋 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (20179550)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2000年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1999年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | 水素吸蔵合金 / 急冷凝固 / 回転水中紡糸法 / 浸漬冷却 / 細線 / 組織制御 |
研究概要 |
水素吸蔵合金細線の製造に関連する一連の研究を行った。第一年度は既存の高周波誘導加熱装置(200kHz,5kW)を用いて、MmNi系及びTiZr系合金の石英ノズル内での溶解噴射実験を行った。前者は1400℃で融解したが、後者は融解しなかった。また、前者もアルゴンガスの背圧により口径0.25mmのノズルから噴射させることが出来なかった。その原因は、ノズルの浸食によりスラグが発生したためである。次いでカーボンノズル、さらにアルミナノズルに変えたが、共に使用に耐えなかった。また、関連研究として、浸漬急冷特性に重大な影響を及ぼす膜沸騰極小熱流束点の発生条件に関する理論的研究を行った。第二年度は誘導加熱装置(400kHz、5kW)と誘導コイルを新たに製作した。また、供試合金をLaNi_5に変更し、ノズルを口径0.5mmの石英製に変更した。約3gの母合金を約1450℃まで加熱して融解させ、その後周速度7m/sの回転ドラム中に形成した厚さ約15mmの水層中に噴射して急冷凝固させた。凝固物の形状は、条件によって長さ約30cm、直径0.15-0.5mmの細線状、長さの異なるリボン状および粒状となった。細線の得られる最適背圧は0.3MPaであった。凝固物のPCT特性を測定したところ、水素吸蔵量が母合金の70%程度に減少した。なお、ノズル内で溶解後にそのまま冷却した凝固物も急冷凝固物に近い特性を示した。SEM観察およびESCA分析によると、急冷凝固物の表面には約2μmの酸化物層が形成されていたが、その体積割合は非常に小さく、バルクのLaNi_5はノズル内で融解中に酸化していると考えられた。またEPMAによると、急冷凝固物の表面にはNiがほとんど観察されず、内部の組成は母合金とほぼ同一であった。従って、急冷凝固物のPCT特性の低下を防ぐには、ノズルと溶湯の反応を極力抑える必要がある。なお、上述の結果はごく最近得られたものであり、今後学会発表を行う予定である。
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