研究課題/領域番号 |
11555096
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 哲郎 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (10029522)
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研究分担者 |
渡辺 明 (株)応用光電研究室, 研究室長(研究職)
高原 淳一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (90273606)
村田 博司 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 講師 (20239528)
渡部 明 株式会社 応用光電研究室, 研究室室長
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1999年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 超短光パルス / レンズ位相変調器 / レンズ偏向器 / 電気光学変調器 / 周期分極反転 / 疑似速度整合 / パルス圧縮 / 単一モード光ファイバー / 電気光学偏向器 / 電気光学結晶 / ファブリ・ペロー変調器 / 超高速 / 電気光学レンズ / ドメイン反転 |
研究概要 |
本研究者らは今までに電気光学結晶の周期分極反転による疑似速度整合を利用した数テラヘルツ、サブピコ秒の高速性をもつ電気光学変調器,偏向器を世界に先駆けて達成してきた。さらにこの反転部の厚さや位置を制御することにより、変調の深さ、変調の山の来るタイミング(変調の位相)が制御できることを見出した。これらをビーム断面方向に分布させることにより、超高速で動作する疑似速度整合型の電気光学レンズや電気光学偏向器を考案した。本研究ではこのうちレンズ変調器に的を絞り、これを超短光パルス生成をはじめとする超高速光制御に応用するシステムの研究開発を行った。以下の研究成果を纏めたものである。 1)高品位のドメイン反転技術の確立:超高速電気光学レンズ作製に不可欠な制御性の高い高圧電界印加によるドメイン反転技術を確立した。 2)高速に凹凸とレンズが変化する電気光学レンズの動作と超高速位相変調器の機能を併せ持つ、レンズ位相変調器の最適化設計と動作確認:電気光学結晶にはLiTaO_3を用い,正確かつ高効率にレンズ変調効果をもたらす反転分布形状を求め、これに基づき、レンズ変調器を製作し、良質のレンズ変調器として動作することを確認した。このほか、レンズ動作と偏向器機能を併せ持つレンズ偏向器の開発にも成功した。駆動周波数は10-20GHz帯で現在世界最高速である。 3)超短光パルス生成実験:2)のレンズ位相変調器に回折格子対とスリットを併用し、CWアルゴンレーザより約500fsの背景光の非常に少ない繰り返し16GHzのパルス列の生成に成功、また、3)のレンズ効果を持つ偏向器にスリットを用い2ps程度の帰りパルスが抑圧されたパルス列を得ることにも成功した。 4)スリットの代わりに単一モード光ファイバーを用い、光ビームの空間コヒーレンスの向上と背景光の一層の低減を図るとともに、ファイバーの群速度分散を回折格子対の持つ分散で置き換え、光の利用効率を向上させる方式を新たに考案した。2)-4)はいずれも世界初の試みである。 5)ファブリ・ペロー変調器に適用可能な低挿入損失のレンズ変調器の開発は完成に至らなかった。これは今後の課題としたい。
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