配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
2001年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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研究概要 |
この研究は,航空機搭載ポーラリメトリックSARによって得られたデータを使って地表分類と検証を行うことである。レーダ工学の最終目的は,レーダから得られる情報を使ってターゲットを詳細に探ることにある。ターゲットを識別したり,分類したりすることも含まれる。その中で,偏波情報の有効利用は学問的にも応用でも新分野であるため,特にその利用方法に焦点をあてて研究を行ってきた。 研究期間全体を通して検討したものは ◆偏波理論の確立(誰もが使えるように,統一された理論を構築しておくことは非常に重要である) ◆測定散乱行列の偏波校正や誤差の除去 (Pi-SARデータには偏波校正が行われていないので,正しい散乱行列を得るためには偏波誤差の除去が大きな役割を果たす) ◆散乱行列の検証実験(理論通りの散乱行列が得られるかどうかを実験室内でも検証する必要がある) ◆散乱行列からターゲット情報抽出パラメータの選定 (最も良い偏波による分類指標は何か?散乱行列の3成分分解や固有値,相関係数,などを検討) ◆3成分分解法によるターゲットの分類ソフトウエアの開発 ◆地表分類した画像の有効性の確認(グランドトルース) である。これらの事柄を実験室内でのミニチュァモデルによる検証実験や,実際のPi-SARで取得した新潟大学近くのデータで比較を行った。さらに,研究期間内に幸運にもNASA-JPLの航空機搭載AIRSARが2000年10月2日に新潟大学の上空を飛行してくれたため,2つの航空機SARのデータ比較も行うことができた。その結果,おおむね計画通りに研究が進み,円偏波基底の相関係数がターゲット分類の手法として役立つことを見出した。しかし,画像に固有な状況もあるため,一般論としては何が最適かどうかなど,分類方法にはまだ問題も残された。
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