配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2001年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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研究概要 |
本研究では,温泉ボーリングを利用した地盤調査と地震観測,微動アレイ探査による深部地盤調査およびシミュレーション解析による濃尾平野の地盤構造モデルの検証を行った. 1.温泉ボーリング孔を利用した地盤調査と基盤強震観測 名古屋市山王に掘削された山王温泉ボーリング(掘削深度約1200m)を検討対象として,PS検層をはじめとする各種検層により速度構造を求め,深さ約670mでVs:2.8km/sの堅硬な花崗岩となることを確認した.また,ボーリング孔内の基盤および地表で地震観測を実施し,名古屋市直下の微小地震を含む多くの地震観測データを取得した.さらに,観測波形を用いて地盤のS波速度およびQ値の最適値を同定した. 2.微動アレイ探査法による深部地盤構造の調査 まず,山王地点で微動のアレイ探査を実施し,推定されたS波速度構造とPS検層結果を比較してその適用性を検証した.次に,名古屋市内および周辺の濃尾平野において合計12地点で微動アレイ探査を実施した.名古屋市東部の基盤深度は500m〜600mであるが,.名古屋市西南部で約2000mと急激に深くなることが明らかとなった.また,複数点の地質構造の連続性を考慮した多点同時逆解析手法により,地盤構造モデルの信頼性が向上することを確認した. 3.濃尾平野における地震応答と地盤モデルの検証 濃尾平野を北東-南西および北西-南東に横切る複数の断面についてモデル化し,2次元有限要素法による地震応答シミュレーションを実施した結果,観測値をほぼ良好にシミュレートすることができた.また,差分法を用いた3次元モデル解析により,S波以降の表面波と見られる後続波を概ね表現できることを示した.なお,これらのモデルでは名古屋市西部に基盤が急傾斜する地域があり,今後その詳細を解明する必要がある.
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